(社会新報2022年3月30日号1面より)
「参院選に勝利し、社会民主主義を若い世代につなごう!」をスローガンに、社会民主党は3月19、20の両日、都内で第19回定期全国大会を開き、代議員151を含む約180人が参加した。今夏の参院選が公選法上の政党要件がかかった選挙であり、比例代表では得票率2%の達成にとどまらず、2議席以上獲得、得票240万票、得票率4%を目標とする方針を確認した。
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あいさつに立った福島みずほ党首は冒頭、16日に起きた地震による宮城・福島両県の死者と被害者に哀悼の意を表明した。
続いて党首は、参議院選挙を前にした当面の課題として5点を提起した。最初に「武力で平和はつくれない」として、ロシアによる国際法を無視したウクライナ侵略に抗議。さらに「日本と沖縄を戦場にしてはならない」と、沖縄辺野古新基地建設や沖縄・南西諸島におけるミサイル配備計画を阻止しようと訴えた。
第2に「憲法は今、最大の危機を迎えている。岸田文雄首相は憲法9条を改悪し、戦争のできる国にしようとしている」と改憲阻止を提起。「参院選で改憲を強行しようとする動きが強まっている」と警鐘を鳴らし、「今こそ護憲の党である私たちの出番だ」と全党員の奮起を促した。
第3に、福島党首は、新自由主義から社会民主主義への転換を訴え、「新自由主義は、大企業の利潤追求でしかない。非正規雇用は4割を超え、コロナ禍で人々の生活が困窮している。一方で保健所は削減され、医療インフラもぜい弱にされてしまった」と指摘。「雇用も命も守れず、人間が人間扱いされない社会を変えよう」と呼びかけた。
原発再稼働の阻止を
第4に、脱原発を掲げ、「原発が安全でも、安価なエネルギーでもないことは、東日本大震災での福島原発事故ではっきりした。にもかかわらず政府与党は原発を推進し、再稼働しようとしている」と、岸田政権を強く批判した。
最後に福島党首は、「ジェンダー平等の実現を目指し、あらゆる差別を撤廃して共生社会をつくっていく」と決意を表明した。
この後、福島党首は、今夏の参院選について「社民党にとって、まさに正念場の選挙となる。何としても、政党要件である得票率2%をクリアしなければならない」と強調。
その上で、目標を2人以上の当選に設定。「120万票で1人の当選となる。何としても240万票以上を獲得し、2人以上の当選を実現していこう」と述べ、すべての力を参院選に結集していくよう訴えた。
また、32ある1人区では野党共闘を強めて立憲野党候補の1本化に全力を挙げる姿勢を表明した。
沖縄を戦場にするな
大会初日には佐藤征治郎党首選実施本部長が、1月14日の党首選告示で立候補者が単数のために福島党首が再選された旨を報告。
来賓として、水岡俊一・立憲民主党参院議員会長、志位和夫・日本共産党委員長、福山真劫・市民連合事務局員、西島藤彦・部落解放同盟中央本部書記長の4人が大会への祝辞を述べた。 続いて、服部良一幹事長が幹事長報告を行ない、2020年11月25日の臨時全国大会以降の国会闘争と主な運動・組織の取り組みを振り返り、「今年1月、日米外交防衛担当閣僚会議(2+2)で台湾有事を想定し日米共同作戦計画にゴーサインを出した。沖縄・南西諸島を戦場にしてはならない」と訴えた。
服部幹事長は第1号議案「22 23年活動計画・政策課題について」を提案し、「社民主義を後継の若い世代につないでいこう」と呼びかけた。第2号議案「各種選挙闘争方針」で服部幹事長は参院選挙区の候補擁立に関し、「ぜひ候補擁立に挑戦していただきたい。選挙方針はそれに尽きる」と奮起を促した。第3号議案では昨年4月のサポーター制度導入に伴う党則の一部改正を代議員の挙手により採択。
役員人事では新垣邦男衆院議員を副党首に据えるなどの新執行部体制を決定した。
そして「党の総力をかけて9条改憲を阻止する」とする大会宣言を満場の拍手で採択した。最後に福島党首の音頭で団結ガンバローを参加者全員で三唱した。なお、大会議長は、池田万佐代(埼玉)、檀上正光(広島)、大会運営委員長は村山弘行(福岡)、副委員長は盛本芳久(石川)の各代議員が務めた。
↑大会会場の壇上で参院選での野党共闘の勝利を誓ってこぶしを上げる、左から西島部落解放同盟中央本部書記長、福山市民連合事務局員、志位日本共産党委員長、福島党首、水岡立憲民主党参院議員会長(19日、東京・星陵会館)。
↑副党首に就任して、決意を表明する新垣邦男衆院議員。右は服部幹事長、左は福島党首。
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