社会新報

【主張】感染急拡大と政権の責任~感染対策の基本を欠く政治の怠慢~

(社会新報2022年2月9日号3面【主張】より)

 

 岸田政権が発足して4ヵ月が経過した。発足当時は下火だった新型コロナウイルスは、年明けとともに一気に拡大し、2月3日までに35の都道府県で「まん延防止等重点措置」が発令される事態となった。重症化率は低いといわれるオミクロン株だが、感染拡大のペースが早く、「自宅療養」という名の治療放棄が横行している。

 一日も早い終息を願わずにはいられないが、福島みずほ党首が1月26日の記者会見で述べたように、「ここまで感染を拡大させた岸田政権の責任は大きい」と言わざるをえない。

 決め手の一つはワクチン接種だが、日本の3回目のワクチンの接種率はわずか4・0%(2月2日現在、政府公表)で、「OECD(経済協力開発機構)加盟38ヵ国で一番低い」と堀内詔子ワクチン担当相は国会答弁で認めた(1月28日、衆院予算委)。

 感染者の急拡大で検査キッドの不足や保健所の機能不全などが伝えられている。しかし、これらについて対策を急がなければならないことは第5波が下火になったころから指摘をされていた。初めて新型コロナウイルスの感染が確認されてから2年が経過しながら、最も基本となる対策がとられていないことは、政治の怠慢というほかない。

 ところが衆院選後、岸田政権が高い支持率を維持する一方で、野党は野党間の共闘をめぐり足並みがそろっていないという政治状況が生まれている。政府与党もそれを認識しており、野党がまとまらないよう今国会では〝対決法案〟の提出を控える動きを見せている。

 しかし、コロナ対応しかり「敵基地攻撃能力の保有」しかり、岸田政権は国民の命、平和を守る観点からは問題だらけだ。

 社民党は3月19日と20日の2日間、定期全国大会を予定。コロナ禍で苦しむ国民の命、生活、雇用や生業を守る取り組みや9条改憲を阻止する国民運動、沖縄を再び戦場にさせないアジアの平和外交を強化する課題などについて討議しながら、参院選方針を確認することにしている。

 2月2日には全国幹事長会議が開かれ、大会の概要を確認するとともに、提案する議案などについて意見交換した。3人目の参院比例代表予定候補として在日コリアンのキム・テヨン(金泰泳)さんが確認されたが、予定候補の擁立を急ぎ、選挙準備を加速させたい。

 

社会新報ご購読のお申し込みはこちら