社会新報

福岡選挙区・ふくもと貴紀さん「競争から協同へ」 東京選挙区・服部良一幹事長「9条を守り抜く」~参院選挙区で公認2人を追加~

(社会新報2022年5月25日号2面より)

 

 社民党全国連合は5月11日の常任幹事会で、参院選の福岡県選挙区に自営業者のふくもと貴紀さん、東京都選挙区に元衆院議員の服部良一幹事長を公認で擁立することを決定した。

 同日、国会内で福島みずほ党首の会見と合わせて、2人が決意を語った。

日銀子会社発言を批判

 党首は、安倍元首相が日本銀行を「政府の子会社」と発言した問題に関し、「日銀法で独立性が担保されている日銀を『政府の子会社』と言うのは全くの間違い。大幅な金融緩和のアベノミクスは明確に失敗したが、その張本人のこのような暴言は許されない」と厳しく批判した。

 服部予定候補の応援団長を務める評論家の佐高信さんが「野党の一番大事な役割は政府与党をきちんと批判することだ」「社民党のような野党らしい野党はない。全力で応援していく」と強調した。そして参院選政策としてワン・アップ、スリー・ストップ、つまり「食料自給率のアップ」と「非正規・壊憲・原発のストップ」を提起した。

 ふくもと貴紀さんは次のように決意を語った。「私は就職氷河期のいわゆるロスジェネ世代。就職難と格差を痛いほど味わってきた。非正規雇用を自己責任という言葉で片づけてよいのか。私が政治を志す最大の理由は、憲法13条の幸福追求権が脅かされていることだ。政府は新自由主義政策で競争をあおり、貧困と格差を拡大した。今こそ、競争の社会から協同の社会へ。支え合い、分かち合う、協同の社会をつくり上げたい」。

 服部幹事長は、「今まで当たり前の空気のように吸ってきた平和憲法が、参院選挙後の数年間で最大の危機に瀕する。改憲を阻止することが出馬の最大の目的だ。税金を軍事費にどんどんつぎ込むことは社会保障を破綻させる。平和は軍事で守れない。外交で平和をつくっていくべきだ。選挙でその選択肢を出したい。9条の理念はなくすどころか、むしろ世界に広げていくべきだ」と語った。

 

↑会見でこぶしを上げる(左から)服部幹事長、福島党首、ふくもとさん、佐高さん(5月11日、国会内)

 

ふくもと貴紀さん

 

ふくもと・たかのり

1973年、北九州市生まれ。49歳。91年、九州国際大学付属高校卒。95年、福岡大学法学部経営法学科卒。95年、地元民間企業就職、地元政治行政の研究会に参画。現在、音響設備会社を経営。社民党福岡県連副代表。趣味はギター演奏。

 

服部良一さん

 

はっとり・りょういち

1950年生まれ。72歳。京都大学法学部を中退し、機械メーカーで長年勤務し、労組委員長を17年務めた。山内徳信参院議員の秘書を経て、2009年の衆院選で近畿ブロック比例から当選(1期)。20年12月から党全国連合幹事長。

 

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