(社会新報12月14日号2面より)
社民党副党首の大椿ゆうこ参院議員(会派=立憲・社民)は11月17日の参院消費者特別委員会で、大阪府・大阪市が誘致を目指す統合型リゾート(IR)のカジノによるギャンブル依存症問題について、自見英子内閣府特命担当相に対して厳しくただした。
大椿議員は、大阪・関西万博とカジノの関係について、「大阪府民にとって、大阪・関西万博とその跡地に2030年秋ごろの開業を予定している大阪IR・カジノは別々の事業ではなく、一体のもの。大阪・関西万博はIR・カジノを誘致するための呼び水であり、公金でインフラを整えた跡地にIR・カジノを開業するために開催されるとの考えは、大阪の政治においては常識だ」と指摘した。
カジノ依存症対策として、日本人客には6000円の入場料を課し、入場は週3回、月10回に制限するとしていることに疑問の声を上げた。「週に3回、月に10回、カジノに行くということは、もはや依存症の領域に入っている」。
ギャンブル依存症被害者の相談活動をする「大阪いちょうの会」の新川眞一事務局長が「夢洲カジノ計画を断念することが最大の依存症対策である」と指摘していることを紹介した。
大椿議員は、自見大臣に対して、「医師としての視点も踏まえ、依存症対策の決意を聞きたい」と迫った。
これに対して自見大臣は「消費者に幅広く周知啓発していく」「消費者庁HPに特設ページを設ける」と述べるにとどまった。
最後に大椿議員は「大阪を政府や維新の会の実験場にしないでほしい。そこには人々の暮らしがある。依存症を増やすようなカジノには反対する」と訴えた。