(社会新報8月15日号3面より)
国鉄労働組合(松川聡委員長)は7月25、26の両日、東京・新橋の交通ビルで第93回定期全国大会を開催した。初めに松川委員長が「酷暑のなかで日夜、鉄路を守り、国労運動を職場・地域から展開している全国の組合員に敬意を表する」と述べ、日本の鉄道が開通してから152年、JR発足37年を迎えるなかで、あらためて公共交通の確立を訴えた。
大会では、昨年のJR旅客6社は全て黒字決算となり、貨物会社も赤字幅が圧縮されて回復傾向にあるが、人減らし合理化や無人駅と委託の拡大、そして労働条件の改悪が進められてきたことが報告された。
今年1月23日には東北新幹線での架線切断が発生し、復旧工事にあたる協力会社作業員が感電して重傷を負い、7月22日には東海道新幹線では保線作業車の衝突脱線事故により終日運休になるなど、運転事故や輸送障害が多発して安全・安定輸送が脅かされている。
こうした状況を踏まえ、国労の組織と運動を次世代に継承していくことを基調として、組織拡大と強化、賃金の引き上げ、労働条件改善、制度・政策要求の実現、そして地方交通線存続の闘いを広げていくことを決定した。
社民党党首の福島みずほ参院議員が連帯あいさつに立ち、「弾圧を受けながらも労働運動を継承し、日夜闘い続けている皆さんに敬意を表したい。全国各地から赤字ローカル線存続の問題で要請を受けており、公共財である鉄路を守るため、国労の皆さんと共に闘っていきたい。今国会で成立した経済秘密保護法や地方自治法改悪により、日本はますます戦争のできる国になろうとしている。この流れを止めて戦争を起こさせないため、一緒に頑張っていきたい」と述べた。
なお、役員人事では3役は留任した。