(社会新報7月11日号2面より)
安定的な皇位継承に向けた皇族数の確保策について、衆参両院正副議長と社民党による協議が6月26日、衆院議長公邸で行なわれた。社民党からは福島みずほ党首、服部良一幹事長が参加した。
皇族数確保をめぐる与野党の議論は、当初、各党が一堂に会して「立法府の総意」を得る方針であったが、各党の主張に大きな隔たりがあり、衆参両院正副議長が各党の代表者に個別に意見聴取するかたちとなった。
6月26日、福島みずほ党首と服部良一幹事長は約30分間、社民党としての方針について説明した。意見聴取後、福島党首は本紙の取材に対し、「女性天皇を認めるべきだ。それが論点になっていないことはおかしいではないかと伝えた」と語った。
皇室典範第1条では、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と男系男子に限定している。また、皇族数の確保策では、有識者会議でも、自民党・公明党案でも、女性天皇を認めるか否かは論点にすらしていない。
これについて、福島党首は「女性差別撤廃条約を日本は批准しており、また憲法14条(法の下の平等)に反するのではないか」と意見聴取の際に述べた。
福島党首は「男系男子に限る合理的な理由はなく、日本の歴史においても、女性天皇は8人いた。女性天皇が認められない理由はない」と意見聴取の場で迫り、これに対し衆参両院正副議長も、「決して女性天皇を排斥しているわけではない」「今後の過程で議論していこう」と弁明した。しかし、福島党首は「実際には女性天皇の是非の議論を先延ばしにしている」と問題視した。
皇族数の確保策の論点の一つである、旧宮家からの男子を養子縁組し皇族とする案について福島党首は、「誰が新たに皇族になるのか、極めて恣意(しい)的に養子縁組が行なわれる可能性がある」「養子となるのは男系男子で、女性天皇を認めないことと関係しており、それはおかしい」「皇族が増えることで、皇族費が増大することにつながる」として、反対した。