社会新報

がんこに平和 くらしが一番~社民党が参院選の公約とビジョンを発表~

(社会新報2022年6月22日号1面より)

 

 社会民主党は6月7日、参院選(22日公示・7月10日投開票)に臨む公約である「重点政策2022」と5つのビジョンを発表した。スローガンとして「がんこに平和! くらしが一番!」を掲げる。

 

 

 重点政策の柱は、①戦争反対! 憲法を活(い)かす政治を②新型コロナ感染症災害からの生活再建③格差・貧困の解消④地球環境と人間の共生⑤ジェンダー平等・多様性社会の実現――の5つからなり、32項目の政策を掲げた。

 福島みずほ党首は同日の会見でこの重点政策を支える5つのビジョンを語った。5つとは、①戦争しない、させない外交力!②物価高・生活再建に消費税3年間ゼロ! 財源は大企業の内部留保への課税を③最低賃金時給1500円実現! 公的な家賃補助制度を!④教育の無償化実現!ジェンダー平等・多様性社会へ⑤脱原発!環境との共生社会を!  である。

戦争させない外交力を

 党首は、まず、①「戦争しない、させない外交力!」に関して、「防衛費が11兆円に倍増され、憲法9条が改悪されると、社会保障や教育予算が圧迫され、くらしと平和が壊れてしまう。小・中学校の給食無償化は4386億円で可能。大学の授業料をすべて無料にするには1・8兆円。核兵器共有などとんでもない。もっと外交の努力をし、アジアの平和、日本の平和を取り戻す」と訴えた。

消費税は3年間ゼロに

 次に、②「物価高・生活再建に、消費税3年間ゼロ!財源に大企業の内部留保に課税を!」については、「コロナ禍や円安、ウクライナ戦争の影響で、物価高で生活が困窮する中、対策として消費税を3年間ゼロにし、財源の一つとして大企業の内部留保金484兆円に課税する」と説明。

 また、党首は、③「最低賃金時給1500円実現!公的な家賃補助制度を!」に関して「中小企業支援策とセットで最低賃金1500円を早急に実現する。非正規労働者が4割に達する状況下、労働者派遣法を抜本改正し、労働者の使い捨てを許さない。住まいは権利だ。空き家の活用や家賃補助など住まいの公的支援を実施する」と語った。 

 続いて、④の「教育の無償化実現!ジェンダー平等・多様性社会へ」では、「奨学金は原則給付型にし、教育費は原則無償にする。在日外国人や障がい者、性的少数者への差別をなくす。選択的夫婦別姓制度やLGBT差別解消法を実現する。経済や雇用の男女格差を是正し、ジェンダー平等社会を実現する。多様性・共生社会をつくる」と訴えた。

脱原発と脱炭素は一体

 最後の⑤「脱原発! 環境との共生社会を!」では、「原発ゼロ基本法案を成立させて脱原発を推進。原発の再稼働や東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を認めない。気候危機・自然災害への対応は待ったなし。脱炭素は脱原発とセットである。2030年に原発ゼロ・石炭火力ゼロ、2050年に自然エネルギー100%を実現する」と強調した。

 社民党は7月の参院選で比例得票2%以上(または所属国会議員5人以上)を獲得しなければ、公選法上の政党要件を失う。国政政党としての存続をかけた重大な戦いだ。目標は、比例代表で2%の達成にとどまらず、240万票・得票率4%、2議席を目指す。

 いま、憲法は明文改憲の最大の危機を迎えている。護憲の社民党は何としても参院選で踏みとどまり、改憲阻止の要として力を発揮しなければならない。

 

↑参院選の公約とビジョンを発表する(左から)服部良一幹事長、福島党首、新垣邦男副党首(7日、参院議員会館)。

 

新ポスター 平和とくらし重視

 福島党首は6月8日の記者会見で、参院選に向けた2つの新たなポスターを発表した。どちらも「がんこに平和」「くらしが一番」と記し、平和と国民生活を重視する姿勢を強調している。

 1枚目には「戦争はさせない!」と記し、2枚目では、「比例区は社民党」と大きく書いて、比例代表での支持を訴えている。

 福島党首は、「がんこに平和」について、「憲法9条を変えさせない、戦争をさせない、戦争をできる国にさせない、そのためにあらゆる努力をしていこうとの決意を込めた。防衛費の倍増や敵基地攻撃能力の保有、核共有などは絶対に許さない。憲法9条が変えられるかもしれない国会に社民党がいなくてはならない。明るいイメージで、ぶれない姿勢を示した」と語った。

 「くらしが一番」については「急激なインフレや物価高、実質賃金・年金の減額といった厳しい状況下、社民党は国民生活の防衛に全力を尽くす。そのため消費税を3年間ゼロにし、財源の一つに大企業の内部留保への課税を公約に盛り込んだ」と訴えた。

 

↑2つの新しいポスターを指差す福島党首(8日、参院議員会館)。

 

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