7月2日、社民党の福島みずほ党首(参院議員)と新垣邦男副党首(衆院議員)、服部良一幹事長は、外務省と防衛省を訪れ、昨年12月に沖縄で起きた米兵による少女への誘拐・性暴行事件を受けて上川陽子外相と木原稔防衛相に申し入れ書を提出した。事件に強く抗議し、加害者への厳罰と被害者への謝罪・補償・ケア、事件・事故についての米軍の速やかな連絡と日米地位協定の改定を求めるもの。
外務省への申し入れでは、福島党首が「沖縄県がこの事件を知ったのが6月25日。政府は6ヵ月も情報を隠していた。地元自治体に事件・事故の通報がなされていない」と指摘。新垣副党首も「沖縄県知事ですら知らないことに県は対処できない。県民は不信と不安を持っている」と訴えた。
また、昨年末の辺野古の代執行や今年4月の日米首脳会談、6月16日の沖縄県議選などへの影響を恐れて事件の公表を遅らせたのではないかとただすと、外務省の穂坂泰政務官は「まことに遺憾であり、あってはならない事件だ」としながらも、個人の名誉や公益性を鑑みて公表について関係機関と調整・検討を行なっていたと説明する一方、「調整・検討」の具体的な内容には踏み込まなかった。
社民党側はさらに、辺野古新基地建設の即時撤回と沖縄における米軍基地の撤去を強く求めた。
続けて訪れた防衛省で福島党首は、「1996年のSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意と翌年の日米合同委員会合意に基づき、事件・事故が発生した場合には速やかに地元自治体に通報すべきとしているのに、沖縄防衛局はそれを全く伝えなかった」と追及し、新垣副党首も「95年の少女暴行事件の際は、すぐに公表され、米軍司令官から謝罪もあったが、今回は全く後退している」と批判した。
これに対して防衛省の三宅伸吾政務官は、被害者のプライバシーや人権に配慮したとして、事件をいつ知ったのかという質問にすら、「理由はあるが、言えない」と繰り返すばかりだった。