社会新報

大椿参院議員が厚労委で武見大臣に求める~「いのちのとりで裁判」の早期解決を

改正大麻取締法などについてただす大椿参院議員(5日、参院厚労委)。

 

(社会新報12月21日号2面より)

 

  社民党副党首の大椿ゆうこ参院議員(会派=立憲・社民)は5日の参院厚生労働委員会で、武見敬三厚労相に対して、「いのちのとりで裁判」高裁判決、改正大麻取締法についてただした。「いのちのとりで裁判」は、最大10%の生活保護費の引き下げを実施したことは生活保護法に違反するとして、1000人を超える原告が2013年に起こした国家賠償請求訴訟。11月30日の名古屋高裁判決は、原告側の請求を退けた一審判決を取り消し、原告の請求通り、国に1人1万円の賠償命令を出した。大椿議員は訴訟の経緯を説明した上で、「国は、原告の状況も鑑み、この判決を受け入れ、早期解決を図るべきだ」と求めた。これに対して武見大臣は「判決内容を精査して対応する」との答弁にとどまった。
 次に、大麻草由来の成分を使った医薬品の解禁と、大麻使用罪の創設を柱とする改正大麻取締法(6日に成立)についてただした。大椿議員は同改正法が医薬品の解禁と乱用を防ぐ使用罪の創設という、異なる政策を抱き合わせにした点について、「使用罪には刑事司法が関わるため、厚労委だけではなく法務委との合同審査にすべき」と強調した。
 そして、使用罪創設に懸念を示し、「人権保護の視点を忘れず、その後の支援策を具体的に検討すべきだ」と訴えた。