(社会新報11月30日号2面より)
社民党の大椿ゆうこ副党首(参院会派=立憲・社民)は11月16日の参院厚生労働委員会で、武見敬三厚労相に対して、女性の非正規労働問題と労働委員会の救済制度が形骸化している問題の2点をただした。
大椿議員は「ロストジェネレーション、非正規労働者の私たちは、ずっと政治に絶望してきた。政治の中で捨て置かれてきた存在といっても過言ではない。首を切られた非正規労働者の当事者として、そんな人たちの声をしっかりと政治に届けたい」と自己紹介と決意を表明した。その上で、武見大臣に対して「あたかも女性が非正規労働を望んだから非正規労働が増えたと聞こえる答弁をしたが、それは間違いだ」「政治は女性のニーズという言葉を都合よく言い換えてきたのではないか」と厳しく追及した。大臣は「不本意で非正規雇用労働者となった方々への対策は着実にしっかりと進めていかなければならない」と答弁した。
次に、労働委員会の不当労働行為救済制度について「憲法28条が定める労働基本権を担保する上で極めて重要な役割がある」と説明した上で、大阪のナニワ生コン事件の事例を挙げ、大阪府労働委が解雇無効の救済命令を出したにもかかわらず、企業がこの命令の履行を拒否し、労働者の不利益が回復されていないと説明した。大椿議員は厚労省HPに「使用者は初審命令を履行する必要がある」と明記されていると指摘。「罰則規定がないから、不当労働行為がやり放題だ」と訴えた。これに対して、大臣は「罰則規定を置いて、強制化するところまで果たして持っていけるかどうか、議論をもう少し、きちんと実態を把握しながら進めていく必要がある」と答弁し、罰則規定の議論に含みを残した。大臣答弁で「罰則規定」議論の必要性の言葉を引き出したことは成果と言える。