社会新報

【主張】社民党の責務 ~改憲発議阻止と統一自治体選勝利を~

(社会新報2022年7月20日号1面【主張】より)

 

 参院選は7月10日に投開票され、社民党は比例代表選挙で125万票余り、得票率2・37%を獲得し、政党要件である得票率2%をクリアした。福島みずほ党首が比例代表で5期目の当選を果たした。

 今回の参院選は社民党にとって前回19年の参院選と比較しても厳しい条件のもとでの戦いとなった。

 立憲民主党への「合流」問題で半数近い党員が離党した上、党員の高齢化も進んでいることや労組を背景にした候補者を擁立できなかったことなどを考慮すれば苦戦が予想された。

 しかし、情勢は社民党を必要としていたといえるだろう。

 物価高などによる生活の厳しさに多くの国民が悲鳴を上げる一方で、ウクライナでの戦争を口実に、憲法改悪や防衛費の大幅増額を声高に主張する政治家が跋扈(ばっこ)するなかで「社民党を国政の場に残さないと大変な日本になる」という認識は党員はもとより、多くの支持者に広がった。

 「ビラ配布やポスター貼りの協力をしたい」と電話をかけてきたり、事務所を訪れる市民が多かったことも特徴だった。その結果、比例票は19年の参院選と比べ21万票余り増えた。ぜひこうした前進面を引き継ぎながら、次の戦いにつなげたい。

 「次の戦い」はすでに始まっている。来年4月の統一自治体選が最初だ。今回の参院選であらためて問われたことは、どれだけ地域に根を張った運動と組織が私たちにあるかということだった。その核となるのは間違いなく自治体議員である。一人でも多く自治体議員候補を擁立し、当選に向けた準備をさらに進めよう。

 そして参院選を通じて浮き彫りになったのは野党共闘を再構築するという課題である。勝敗の行方は32の1人区で野党が候補者を一本化できるかどうかにかかっていたことは明らかであったにもかかわらず、今回は11選挙区での一本化にとどまった。その結果の4勝28敗である。

 野党共闘の再構築は選挙戦術として必要だということにとどまらない。岸田首相が11日の記者会見で早期の改憲発議に意欲を示したという情勢となっているためだ。改憲に反対する勢力が力を一つにして大衆運動と結びついて活動していくことが今ほど求められている時はない。

 社民党が果たさねばならない責任をあらためて認識し、前進していきたい。

 

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