社会新報

アジアで連帯し軍拡に反対~日消連と主婦連が韓国団体と連名で声明

記者会見を行なう河村会長(左)と纐纈事務局長。(8月30日、都内)

講演する望月記者。

 

(社会新報9月19日号3面より)

 

 日本消費者連盟と主婦連合会、韓国のドゥレ消費者生活協同組合連合会の3団体は8月30日、都内で記者会見を開き、消費者・生活者の権利を守る立場から軍備拡大路線に反対しようと、「アジア平和共同声明」を発表し、国内外の市民団体の賛同を呼びかけた。
 声明は、「第2次世界大戦において日本は韓国をはじめとするアジアの国々に筆舌に尽くしがたい被害を与えました。過ちを二度と繰り返すまいとアジアをはじめ世界に誓ったはず」と指摘した上で、岸田政権はその反省を忘却して、「専守防衛から先制攻撃へと安全保障の考え方を180度転換して、再び戦争に突き進もうとしています」と厳しく批判し、敵基地能力の保有を認め、防衛予算を倍増することを決めた安保3文書の撤回を求めた。
 そして声明は「世界的に軍拡の動きが進行する今こそ、アジアの消費者団体・市民団体は連帯し、反戦と平和を訴える必要があります」と強調した。
 日消連の纐纈美千世事務局長は会見で、武器輸出・製造企業の三菱重工業などへの不買運動を展開したことなどを振り返りながら、「武力ではなく対話を重視した外交を」と訴えた。
 主婦連の河村真紀子会長も対話と交流で戦争を回避するよう求めた。ドゥレ連合会のキム・ヨンヒャン会長は連帯のメッセージを寄せた。
 東京新聞記者の望月衣塑子さんが記念講演を行ない、「一番の問題はメディアに危機感がなく、むしろアシストする側に回っていること。ついに、農水省の有識者会議で、有事に備え、さつまいもやコメといったカロリーの高い作物への転換を生産者に指示するよう検討を始めた。まさに戦争前夜の状況」と指摘し、「私たちは微力ではあるが、決して無力ではない。戦争ノーの声を政府に上げ続けよう」と訴えた。この後、杉原浩司さん(武器取引反対ネットワーク)や前田佳子・日本女医会会長らがリレートークを行なった。