社会新報

【主張】内閣改造後も支持率低迷~岸田政権の退陣を求め総選挙勝利へ

(社会新報10月4日号3面より)

 

 岸田政権は先月13日、内閣を改造した。低迷する支持率を上げ、次期衆院選を少しでも有利に戦いたいという思惑で実施されたことは明らかだ。
 通常〝ご祝儀相場〟もあり、改造直後の支持率はアップするものだが、メディアの世論調査の結果は岸田政権にとって悲惨なものだった。
 岸田首相は5人の女性閣僚を誕生させたことをアピールしたが、「頭隠して尻隠さず」で、54人いる副大臣と政務官には1人の女性も起用されなかった。世界から何周も遅れている自民党のジェンダー平等政策のなせるわざだ。
 一方で働く人々の生活は物価の高騰や倒産の増加、不安定な雇用状況のもとできゅうきゅうとしている。しかし岸田政権は、米国や大企業の要求には「聞く力」を発揮するが、増税にもつながる大軍拡や健康保険証の廃止といった施策については改めようとしない。そうした政策を推進した張本人の多くが留任したのだから、支持率が上がらないのも当然だ。
 従来の政策を転換するなら国会の場できちんと議論をした上で行なう。これは民主政治のイロハのイのはずだ。しかし、とりわけ安倍政権以来この大原則は無視され続けてきた。
 地域で何が起きているか。企業の撤退や倒産が相次ぎ、かつてはにぎやかだった駅前通りはシャッター街と化している自治体が少なくない。過疎化、人口減少が一気に進み、鉄道やバスなどの交通手段も次々と奪われている。慣れ親しんだふるさとから離れざるを得ない人は続出し、若者は結婚もできないことになる。
 もちろん抵抗の動きも生まれている。8月末に「そごう・西武労働組合」が西武百貨店池袋本店でストライキを実施したことはその代表的なものだろう。メディアも大きく取り上げ、市民の受け止めも多くが好意的だった。その背景に働く者に共通する今と将来への生活の不安があるからではないか。
 社民党の福島みずほ党首は今回の内閣改造を受けた記者会見で「戦争の危機、生活の危機、民主主義の危機、そして倫理の危機を引き起こしている岸田内閣には退陣しかない」と厳しく批判した。
 岸田政権はいつ衆院を解散するかタイミングを狙っている。年内の解散、総選挙の確率も高いと思われる。準備を加速させ、岸田政権を退陣に追い込もう。