社会新報

【主張】柏崎刈羽原発再稼働反対 ~ 再稼働の是非は県民自身が決める

(社会新報7月25日号3面より)

 

 「中越沖地震17年 福島を忘れない! 柏崎刈羽原発ハイロ全国集会」が7月15日に新潟県柏崎市で開催された。県内外の労働者、反原発活動家など約300人が参加し、元新潟県避難委員会委員の上岡直見さんの講演の後、参加者全員で市内をデモ行進した。

 集会・デモには社民党の福島党首と「社民党脱原発・脱プルトニウム全国連絡協議会」の会員22人が、北は福島から南は鹿児島までの12県より参加した。  

 「脱原発・脱プル連絡協」は翌16日、同地で総会を開催。23年の活動の総括、24年の運動方針・役員体制を決定した。昨年暮れに急逝した前会長・高橋新一さんに参加者一同で弔意を表し、星野幸彦・柏崎市議を新会長に選出した。

 運動方針としては、福島を忘れず連帯する闘い、女川・島根・東海第2原発などの再稼働阻止の闘いの強化などを確認した。中でも、今年と来年に山場を迎える柏崎刈羽原発再稼働阻止闘争に全国連帯で取り組むことを意思統一した。

 福島第1原発と同じ沸騰水型で総出力世界一の柏崎刈羽原発を再稼働させようと、東京電力と経産省・資源エネ庁は地元の柏崎市、刈羽村、新潟県に圧力をかけ続けている。

 しかし、能登半島地震によって、あらためて避難の困難さが浮き彫りになり、自民党県議でさえも、国のあまりに拙速な再稼働要請に不快感を隠さない。県知事も避難の見直しや避難路の増設などを国に要望して、慎重な姿勢を崩しておらず、最終的には自身の判断への県民の信を問うとの姿勢だ。

 だが、現在の国と東電の姿勢を見ると安心してはいられない。危機感を募らせた市民約100人が、7・15集会のおよそ2週間前に、新潟県の燕三条市に集まった。そこでは、柏崎刈羽原発再稼働阻止のために、県民投票実施を求めて、条例制定直接請求運動を始めるべきか否かが論議の主要テーマとなった。

 12年前にも少数の女性たちが手作り的に直接請求運動に取り組んだ。当時、県民投票への懐疑心を持った政党や市民団体が少なくなかったため、運動に広がりを欠いた面もあったが、県民の一定の共感を得た。

 今回は、多様な脱・反原発団体や政党、個人が幅広く集まり、ゼロから議論し、「再稼働の是非は県民自身が決める」を合言葉に、皆で力を合わせようという議論の方向になった。この壮大な運動に期待したい。