社会新報

【主張】岸田政権の経済対策は無内容~消費税減税と賃上げで貧困と格差の是正を

 

 国民生活に欠かせない食品をはじめとした値上げが家計を圧迫している。10月の食品値上げは6700品目に及んだ。
 さらに雇用保険料の負担率が労使ともに0・2ポイントずつ上がり、従業員は0・5%となった。後期高齢者の医療費の窓口負担についても一定以上の所得がある人は1割から2割に引き上げられた。
 岸田政権は先月28日、物価高騰に対する総合経済対策を閣議決定した。総額は29兆円を超えた。毎度のことだが、「無電柱化を含む道路インフラの局所対策」など、「これが経済対策?」と首をひねるものまで盛り込まれている。問題はこうした施策が、最も公助を必要とする人々を援助するものになっていないことである。
 働く人々の貧困と向き合ってきた「反貧困ネットワーク」(瀬戸大作事務局長)は、10月に集会を開き、相談者の状況について「75%は住まいを喪失している人々で、小泉・竹中構造改革によって派遣労働と非正規雇用が増え、低賃金で不安定な立場に押し込まれている。女性非正規に限ると平均年収は154万円で、貯蓄ゼロは単身世帯で38%に上る。多くの人が『寮つき派遣』しかないと応募するが、仕事が極端に少ない上に、携帯電話が止まり、職探しがさらに困難になっている」と明らかにした。
 社民党は先月、2年ぶりに労働組合との懇談会を開いた。参加したすべての労組から、小泉政権以来の新自由主義政策の下で雇用・労働条件が著しく破壊されていることが報告された。
 深刻さを増す格差・貧困の原因は自然現象でも労働者の「自己責任」でもない。その証拠に企業の法人所得(79兆4790億円)も内部留保(516兆4750億円)も過去最高を記録しているからである。あるところにはあるのである。企業には社会的責任があり、相応の責任を果たしてもらわなければならない。
 その一方で、賃金は20年間も上がっていない。連合は来年の春闘で14年以来最大の要求水準であるベースアップ相当分3%に定期昇給分2%を合わせた5%を要求水準とする方針だ。
 社民党は昨年の衆院選、そして今年の参院選で、生活再建の柱に「消費税を3年間ゼロ」とその財源として「内部留保に3年間課税」を訴えた。その先見性と実現可能性は明らかだ。働く人々と共に、大幅賃上げを実現しよう。