社会新報

【主張】社民党第20回定期全国大会~「地べた」からの運動で総選挙勝利を

(社会新報3月7日号)

 

 社民党は定期全国大会を先月末に開いた。福島みずほ党首は冒頭のあいさつで「金権腐敗政治追放、自民党政治打倒、政権交代実現の地べたからの運動の先頭に立とう」と訴えた。
 大会では27人が発言。「地べた」で何が起きているかの報告が続いた。第1は「新たな戦前」の足音が迫り、原発回帰の動きも強まっているという指摘だ。
 長崎県佐世保市で昨年11月、自衛隊と米軍の軍事パレードが実施された。日の丸を持つ人々で埋め尽くされ、「近々反対のプラカードを持つだけで、〝非国民〟扱いされるのではないか」と危機感が表明された。
 群馬県が朝鮮人労働者追悼碑を行政代執行で撤去したが、同様の事態が全国で起きないか懸念される。
 また沖縄・九州でミサイル基地などの建設が進んでいるが、「これは沖縄だけの話ではない。身の周りで起きている」という認識の重要性が訴えられた。
 岸田政権は、柏崎刈羽をはじめ原発再稼働の動きを強めている。石川・志賀原発の現状について情報隠しなどはないか疑念がある。
 第2に働く人々の生活や命もぎりぎりの状態に追い詰められている指摘だ。
 各地で病院の統廃合が進む。広島市では民意を無視した新病院の計画を問題にしてきた。また実質賃金が低下し、貧困と格差が拡大しており、「くらし第一」を訴える重要性も指摘された。
 第3に農業問題に関わる発言が多かったことだ。
 日本の食料自給率は37%と先進国でも最低クラスだが、農家は2000年以降5年ごとに30万戸ずつ減っている。農業では食べていけないからだ。次期衆院選で北陸信越ブロックから立候補予定の堀井修さんは自ら〝百姓〟と名乗り、軍備増強より自給率向上を訴えている。
 第4に党の役割の重要性があらためて強調された。
 昨年、埼玉・鴻巣市議となった西尾あや子さんは1人会派で制約も受けてきた。党議員団の勉強会で学び、成果も挙げてきた。県議会に自民党が提出した「お留守番禁止条例」を市民と連帯して撤回させた。
 長野では地域にリベラル勢力の結集の場として信州社民ネットを立ち上げ、活動している。
 課題は山積している。しかし、衆院選予定候補者は〝地べたからの運動〟を担ってきた同志たちばかりだ。諸課題は衆院選の取り組みを通じ改善されていくだろう。衆院選を全力で戦い、勝利しよう。