(社会新報12月21日号2面)
統一教会問題を受けた被害救済法と改正消費者契約法が12月10日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決した。同日の参院消費者特別委員会で社民党の福島みずほ党首(会派=立憲・社民)が岸田首相に対して統一教会と自民党の癒着問題を厳しく追及した。
福島党首は、「首相経験者を含め多くの自民党の国会議員が統一教会の広告塔となり、被害の拡大に寄与してきたことをどう考えるのか」とただした。首相は「率直におわびする」と陳謝。
そして福島党首は、統一教会と政策協定書を結んだ全ての国会議員の名前を明らかにすべきではないか、と迫った。首相は「各議員がそれぞれ説明すべき」と逃げの答弁に終始した。
党首はさらに自民党の自治体議員と統一教会の関係についても自民党総裁として徹底的に調査すべきではないかと求めた。これに対して、首相は「議論を進めている」と、あいまいな答弁だった。
統一教会と自民党の政策協定書の中には「憲法改正、家庭教育支援成法、青少年健全育成法を進めることが盛り込まれている。選択的夫婦別姓やLGBT差別禁止法、同性婚法案に対する反対などもある。これは政治に対する介入だ」と厳しく批判した。さらに統一教会の憲法改正の主張と酷似した自民党改憲草案について「家族は互いに助け合わなければならないという文言が入っている。これは公助よりも自助を強調する。家父長制的な家族の規定ではないのか」と指摘。
被害者救済法の3条では、寄附を求める法人に対して「寄付をするか否について適切な判断が困難な状態に陥ることのないように」求める配慮義務を定めている点について、党首は「配慮義務ではなく禁止規定にすべきだ」と主張した。
また、9日の参院消費者特に参考人として出席した統一教会元信者2世の小川さゆりさん(仮名)は、「来年の国会で子どもの宗教的虐待を防ぐ法律の成立をお願いしたい」と訴えた。