社会新報

【5月17日の福島党首会見】LGBT法案の後退を厳しく批判~難民審査参与員の柳瀬氏の言動を疑問視~梅村参院議員の「詐病」暴言を許さない

 

 

  社民党の福島みずほ党首は、5月17日、参院議員会館での会見で、LGBT理解増進法案、入管法改悪案について語った。

 政府与党が提出する予定のLGBT理解増進法案(以下、LGBT法案)について福島党首は「後退した中身」「当事者の方々も多くが反対している」と指摘した。同法案での、当初は「性自認を理由とする差別は許されない」との文言を「性同一性を理由とする不当な差別はあってはならない」と変更されたことについて、福島党首は「不当な、という文言は、『差別だ』と言われた際に『不当ではない』と返すための布石ではないか。性同一性も性自認に比べて範囲が狭く矮小化された」と問題視した。福島党首は「今回のLGBT法案は、2年前、LGBT議員連盟として、野党側が合意した、当時の自民党案に比べても後退している。せめて2年前の中身に戻すべきだ」と求め、今回のLGBT法案に対し、「社民党として反対する」との方針を示した。

 入管法改悪案については、3回目以降の難民認定申請で強制送還を可能とする点について「難民認定審査が機能していない中で、死刑のボタンを関節的に押すようなもの」と述べ、同法案の立法事実となった、「申請者の中で難民はほとんどいない」(2021年4月21日衆院法務委員会)との答弁をした難民審査参与員の柳瀬房子氏の言動の信憑性に疑問を呈した。福島党首は「柳瀬さんは1年で1000件の難民審査を行なっていると言うが、あり得ない。ずさんな審査を行なっているか、虚偽発言かで、いずれにしても立法事実が崩れている」と指摘した。また日本維新の会の梅村みずほ参院議員が、名古屋入管で死亡したウィシュマ・サンダマリさんについて「ハンストが死因ではないか」と発言し、「詐病」の可能性に言及したことに対し、福島党首は「法務省や入管側も否定している」と厳しく批判した。