2022年4月22日
社会民主党 幹事長 服部 良一
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- 自民・公明両党は、円安や物価上昇などに対する緊急対策の財源として、今年度予算の予備費を活用すると同時に、予備費を積み増すための補正予算案を編成することで合意した。補正予算案を編成するとあらためて予算委員会を開く必要があるため、当初、自民党は今年度当初予算の予備費5・5兆円の範囲内で2兆円規模の緊急対策を想定していたが、既存の予備費の活用では足りないとする公明党が押し切ったとされる。補正予算案の規模は、2兆5000億円から2兆7000億円程度が見込まれている模様だ。
- 緊急対策の内容は、ガソリンなどの価格の高騰を抑えるための補助金の拡充や、低所得の子育て世帯への給付金支給、地方自治体の生活困窮者への支援をすすめるための「地方創生臨時交付金」を拡充などが想定されているとのことであるが、参議院選を控えた露骨な「バラマキ」であり、問題がある。
- 予算は国会で議論して決めるのが財政民主主義の大原則であり、「緊急」を口実に予備費で経済対策を行なうことなど断じて許されない。まして予備費を積み増すための「補正予算」など前代未聞である。「緊急時」を口実に、すべて国会での審議を必要としない「予備費」というブラックボックスの中で、与党が勝手に処理することは、財政の私物化であり、とうてい認めることはできない。
物価上昇等に対する緊急の経済対策の必要性自体は否定しないが、政府は緊急経済策のための補正予算を組んだうえで、国会でしっかり議論したうえで実行するのが当然である。社民党は、予備費を使った「経済対策」と、予備費を積み増すための補正予算に強く反対するものである。