声明・談話

【声明】辺野古最高裁判決へ断固抗議する

2023年9月7日

社会民主党

幹事長 服部 良一

 

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設で防衛省の設計変更申請を沖縄県が不承認とした処分を巡り、県が国土交通相の関与取り消しを求める二つの訴訟で県の敗訴が確定した。1つ目が、国交相が不承認を取り消した「裁決」の取り消しを県が求める訴訟で、8月24日最高裁第1小法廷は上告不受理を決定し、県側敗訴の1審の福岡高裁沖縄支部判決が確定。2つ目が、国交相が承認を命じる「是正指示」の取り消しを県が求める訴訟で、9月4日最高裁判所第1小法廷は県の上告を棄却する判決を下した。これら判決は、国が私人になりすまし行政不服審査法を乱用したことを司法が是認しただけでなく、辺野古新基地建設に反対する県民の思いを踏みにじる不当な判決であり、社民党は断固抗議する。

 そもそも、この裁判に至った経緯は、2020年4月防衛省沖縄防衛局が辺野古新基地建設にあたり発覚した軟弱地盤改良のために設計変更を県へ申請したが、県は調査が不十分などを理由に不承認とした。これに対し、沖縄防衛局は、行政不服審査法により国交相へ不服審査を申し出た。この行政不服審査法は、本来私人が行政機関から権利侵害を受けた場合に救済を目的とするものである。沖縄防衛局が「私人」になりすまし審査請求した。そして、国交相は2022年4月に県の不承認を「裁決」で取り消し、その上で承認を命じる「是正指示」をした。県はこれら「裁決」と「是正指示」の取り消しを求めて二つの訴訟をしたのである。

 玉城デニー県知事は設計変更を承認する法的義務を負う形となったが、判決は自治体の主体性をないがしろにするものであり、知事も判決後「地方公共団体の主体性や自立性、憲法が定める地方自治の本旨をないがしろにしかねないもので、深く憂慮せざるを得ない」と批判している。

 これら判決をもって辺野古新基地建設がすぐに再開するわけではない。知事は判決に従わず承認を拒むことができる。しかし知事が承認を拒み続けた場合、国側が県に代わって承認手続きをとることを可能とする「代執行」の訴訟などを起こしてくるだろう。今回の判決により厳しい状況に置かれるが、引き続き抗議の姿勢を貫いていただきたい。同時に21年の不承認理由以外にも新たに明らかになった耐震設計の不備など再度の不承認・埋立承認の再撤回で争うことも可能であろう。社民党は知事と辺野古新基地建設に反対する全ての住民の皆様と連帯し、辺野古新基地建設撤回まで闘っていく所存である。

 

以上