2022年8月15日
社会民主党
第二次世界大戦の終結から77年目の8月15日を迎えました。15年に及んだアジア・太平洋戦争は、310万人もの日本人の命を奪っただけでなく、日本の侵略と植民地支配によりアジア諸国をはじめ多くの国々に多大な犠牲と損害を与えました。戦争により倒れ、傷つき、苦しめられたすべての人々に、心から哀悼の誠を捧げます。また遺族の皆様、今なお戦争被害に苦しめられている皆様に、お見舞いを申し上げます。悲惨な戦争体験の上に「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにする」と決意し、制定されたのが日本国憲法でした。再び戦争の時代を招来させないよう努め、後世に継承していくことが真に求められる時代をいま迎えています。
菅政権の退陣を受けて誕生した岸田政権は、「台湾有事」を想定した南西諸島での自衛隊基地の強化や日米共同作戦の具体化を図ってきましたが、ロシア軍によるウクライナ侵攻を受けて、軍事費の大幅増額や改憲に向けた動きを本格化させています。年末には日本の外交・防衛政策の長期指針などの3文書の改定が行われようとしています。また改憲に向けても7月の参院選で改憲勢力が3分の2を超えたことから「早期の改憲発議」を表明しています。断固として阻止しなければなりません。
一方で、政府は安倍元首相の国葬を実施しようとしていますが、憲法が保障する法の下の平等や思想・良心の自由に反するものであり、社民党は強く反対します。また時間の経過とともに、政治と旧統一教会の癒着などが次々と明らかになっています。旧統一教会の不当な圧力で政治がゆがめられてきたのではないかなど、自民党との関係を徹底的に究明しなければなりません。
復帰50年の節目の年を迎えた沖縄では、「再び沖縄を戦場にするな」の声が高まっています。しかし、政府は辺野古や南西諸島での基地建設を沖縄県民の反対を押し切って進めています。こうした動きを阻止するためにも9月11日投開票の沖縄県知事選で玉城デニー知事の再選を必ず勝ち取らなければなりません。
戦後77年、核使用を阻止してきたのはヒロシマ、ナガサキの力ですが、ウクライナ戦争でプーチン・ロシア大統領が核使用を示唆する発言をしたことは全世界に衝撃を与えました。昨年1月に成立した核兵器禁止条約の第1回締約国会議が6月にウイーンで開かれ、核兵器が使用されないことを保障するためには「核のない世界」しかないことを確認しました。しかし、「唯一の戦争被爆国」を標ぼうする日本政府は、核禁条約に背を向け、オブザーバーとしても参加しませんでした。一刻も早く、破綻した核抑止論を放棄し、核禁条約を早期に署名、批准するとともに。原告が勝訴した広島「黒い雨」訴訟に続き、長崎「被爆体験者」の救済を図るべきです。
国民生活は長引くコロナ禍に加え、相次ぐ物価の上昇で困窮の度を深めています。一方で防衛費の大幅な増額は社会保障費や医療・介護、教育など国民生活に密接に関連する予算の削減や消費税率の上昇につながらざるをえません。これ以上の国民生活の破壊を許すことはできません。
社民党は7月の参院選で前回より21万票余り得票を伸ばし、得票率も2.37%を獲得し、政党要件を維持することができました。引き続き、改憲を許さず、「がんこに平和 くらしが一番 戦争をさせない」の政治の実現に向け、全力を挙げる決意です。