社会新報

ひろゆきツイートを許さない ~ 辺野古座り込みの闘い中傷で山城博治さんが怒りのコメント

辺野古基地建設に反対して現地で座り込む人たち。左は山城さん(2018年4月)

 

(社会新報10月26日号2面より)

 

 ネット掲示板「2ちゃんねる」の創始者で、「ひろゆき」として知られる西村博之氏が、辺野古新基地反対座り込みの時間外である夕方に訪れ、「誰もいない」「(抗議日数を示した掲示板を)0日にした方がよくない?」とツイートで揶揄(やゆ)した問題で、沖縄平和運動センター顧問の山城博治さんが、本紙の取材にコメントした。
 山城さんは「詭弁(きべん)を弄(ろう)して、私たちの活動を否定しようとする悪質なもの」と、西村氏の言動を批判。また、「辺野古新基地建設に反対する沖縄の声に対し、まともに反論できないから、茶化すようなことをしてきているのだろう」とも評した。
 「2008年の第1次安倍内閣の時から、政府は基地問題を省みず、沖縄について好き勝手言ってきた。その延長線にあるのだろうが、西村氏の言動は程度が低すぎる」
 西村氏の座り込み現場訪問には、テレビ朝日が出資するインターネット放送「AbemaTV」の取材班も同行。山城さんは「(基地反対運動関係者の名誉を棄損し、BPOから人権侵害と勧告された)『ニュース女子』と同じやり方だ」と憤った。
 同番組では、西村氏は「米軍や自衛隊がいなくなったら、台湾有事で誰が沖縄を守るのか」と主張。これに対し、山城さんは「沖縄の基地反対運動を批判する人々の本音は、『軍事的脅威は全て沖縄に引き受けてほしい。本土に飛び火させないでほしい』ということ」と指摘。
 「中国が怖いというのならば、沖縄だけでなく、日本全体で脅威に対応すべきだが、それをせずに、『沖縄は戦争反対ばかり言って中国のまわし者か』と言ってくる。戦争が嫌なら、対米追従ばかりで言われるままに兵器を買って軍備拡大するのではなく、ある程度、中国側にも耳を傾けるべきだ。今年は日中国交正常化50周年で、関係改善の絶好の機会なのだが、その機会をつぶしている日本の外交のあり方を問うべきだ」
 山城さんは「私たちとしては、重要土地規制法で政府が直接的に沖縄を抑圧してくることを警戒している」と述べ、「西村氏のような言動が政府の抑圧を正当化する世論をつくることはあってはならない」と訴えた。