社会新報

【主張】統一自治体選挙~いのちとくらし建て直す出発点に

(社会新報3月22日号3面より)

 4年に1度の統一自治体選挙が、今月23日に告示される道府県知事選挙を皮切りに、来月23日に投開票となる一般市などの首長や議員選挙までの約1ヵ月間にわたって戦われる。
 社民党は140人の公認・推薦候補者を擁立し(3月15日現在)、「くらしが一番! がんこに平和!」をスローガンに、勝利に向け全力を挙げる。
 この4年間のうち3年余りは新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっていた期間であり、今回の選挙戦ではこれまでのコロナ対策の総括と今後の対策のあり方が大きな争点となることは間違いない。
 累計でこの3年余りの国内の感染者数は3333万人余り、死者数は7万3000人余りに上った(3月14日現在、NHK調べ)。ここへきて新規感染者数は全国で1日1万人を切るなど、減少傾向を見せているが、油断はできない。
 政府は19年に全国の1500近くの公立・公的病院の約3割に相当する400余りの病院を統廃合の対象とした。医療崩壊が叫ばれ、地域医療を守ることこそ政治の課題であるはずなのに、感染が拡大しても政府は見直そうとしなかった。
 ところで岸田政権は5月8日以降、コロナ感染症をこれまでの2類相当から季節性インフルエンザなどと同じ5類に引き下げることを決めた。これまでの対応を反省した上での新たな方針とは思えない。
 なぜなら、この方針のもとで入院勧告も自宅への在宅観察もなくなり、検査をはじめ治療費などの自己負担が進むことになるからだ。公的な責任は回避され、「自助努力」が押しつけられる。自己負担が厳しければ受診を控える人が増え、結果として重症者や死者が増えないか懸念される。
 それだけではない。昨年10月から75歳以上で課税所得が28万円を超える約2割の人を対象に、医療費が2割アップされた。
 さらに復興特別所得税、たばこ税などの大衆課税に加え、退職所得控除や配偶者控除の見直しなど、国民の負担増が目白押しだ。
 軍事費の大幅増額の一方で、国民の命や健康は軽んじられているこの国の現状を端的に示している。求められているのは「自助努力」ではなく、公助の充実である。
 社民党は今回の統一自治体選挙に勝利し、いのちとくらしを建て直す出発点とする決意だ。

 

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