(社会新報3月22日号2面より)
社民党党首の福島みずほ参院議員(所属会派=立憲民主・社民)は3月9日の参院法務委員会で、政府が閣議決定した入管法改定案を厳しく批判した。
入管法(出入国管理及び難民認定法)の「改正案」は2021年3月に提出されたが、難民認定申請者の強制送還を可能とするなどの問題から、「改悪」であるとして、社民党など野党が反対し、廃案となった。
今回、再び提出された入管法改定案について、福島党首は「骨格がほぼ変わっていない」と問題視。国連人権理事会での審査でも日本の入管制度へ改善勧告があったことに触れ、「国際基準にのっとった包括的な難民保護法制を早急に採用すること、これが(入管法改定案で)採用されていないではないか」と追及した。
これに対し、出入国在留管理庁の西山卓爾次長は「政府としては、わが国が締結している人権諸条約が定める義務を誠実に履行している」と詭弁(きべん)を弄(ろう)した。
福島党首に日本の難民認定率の低さを追及されると、西山次長は「多くの難民が発生する地域と近接しているかなど、諸外国とは前提となる事情が異なっている」と答弁。福島党首はトルコ出身難民認定申請者を例に挙げ、「カナダに行ったら、98%難民認定されるが、日本では、ほぼゼロ。個別的な問題ではなくて日本の制度の問題だ」と訴え、日本では極端に認定されにくい法制度の問題点を指摘。
斎藤健法相に対し、制度改革を求めたが、法相は西山次長の答弁を繰り返すだけであった。
これに対して、福島党首は「いつまで日本はこのままなのか」と憤り、「改悪法案は認められない」と強調した。
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