(社会新報9月13日号2面より)
灼熱(しゃくねつ)の炎天下、関東大震災と朝鮮人・中国人・日本人社会主義者らへの虐殺から100年となる1日、東京・墨田区の都立横網町公園では、朝鮮人犠牲者追悼碑前で、午前には日朝協会などによる追悼式典、午後には朝鮮総連などによる同胞追悼会が、それぞれ開かれた。
こうした追悼行事は、1974年から毎年、公園内の朝鮮人犠牲者追悼碑前で行なわれてきた。歴代の東京都知事は式典に追悼文を送ってきたが、現在の小池百合子知事は、就任翌年の2017年から送付を見送っている。
午前の追悼式典で宮川泰彦実行委員長は、「過ちを繰り返さないため語り継ぐことが、私たちの責務だ」と語った。
朝鮮総連都本部の康景翔国際統一局長は、日本政府の姿勢を「犠牲者を二度、三度とあやめているに等しい」と訴えた。
一方、よりによって100年の大きな節目に、同日夕方、朝鮮人虐殺の事実を否定して追悼碑の撤去を求めている排外主義者団体「そよ風」が、追悼碑前で集会を開こうと公園に集まった。これに対し、「虐殺犠牲者を冒涜(ぼうとく)する行為だ」として反対する市民らが集会を阻止しようと追悼碑前に座り込み、「NO HATE」などの横断幕を掲げて抗議の声を上げた。「そよ風」と市民らが警察官や都職員らをはさんでにらみ合う攻防が1時間以上続いた。結局、「そよ風」は追悼碑前には近づけないまま、公園内の別の慰霊碑前で時間を短縮して集会を開催し、散会した。