社会新報

イスラエル大使館前に900人~「虐殺やめろ!」猛抗議

 

(社会新報11月30日号3面より)

 

 イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区(人口約222万人)での軍事攻撃が続き、病院や難民キャンプなどでの市民の犠牲者が激増している。
 イスラエルは「ハマスがいる」との主張の下、一般市民の犠牲も正当化する。パレスチナ側の犠牲者は1万2000人以上で、うち4割以上が子どもだ。
 11月15日未明、イスラエル軍は「(ガザ地区最大で北部にある)シファ病院の地下にハマスの軍司令部がある」と主張し、同病院に突入した。
 だが21日現在、イスラエルの「仕込み」が強く疑われるケースを除いて、病院内や地下に「ハマスの拠点」とおぼしき証拠は見つかっていない。今後もし発見されたとしても、病院などへの軍事攻撃や、医薬品・燃料・食料・水などを遮断したジェノサイド(大量虐殺)が許されるわけではない。
 同15日、国連安保理はイスラエルとハマスの双方に対してガザ地区での戦闘の「人道的休止」を求める決議を採択した。イスラエルは強く反発している。

イスラエルへの抗議

 17日夜、東京・千代田区のイスラエル大使館の近くで、「ガザでの虐殺に抗議する」街頭行動が行なわれた。歩道は人で埋め尽くされ、参加者は約900人(主催者発表)に上った。主催は「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会青年PT」。
 参加者は拳を振り上げ、日本語や英語で「ガザでの虐殺をやめろ」「イスラエルは恥を知れ」「子どもを殺すな」「今すぐ停戦」などと大使館に向かってコールを繰り返した。
 数回に分けられた同大使館への申入書「提出」に、本紙記者も同行した。代表者は入口が閉鎖された大使館前の路上で「ガザへの地上戦と空爆を今すぐやめろ」「シファ病院に軍を突入させて市民を虐殺したことは許しがたい犯罪行為だ」などと読み上げ、申入書を敷地内に置いた。大使館関係者は誰も現れず、10人前後の警察官が入口をブロックした。
 多くのパレスチナ系の人々が抗議する中、ユダヤ系米国人で広島の大学院に留学中のレベッカさんもマイクを握った。
 「私の曽祖父母はアウシュビッツで死んだ。だが、私は(現在の)イスラエルの側にいない。暴力にも虐殺にも反対だ。パレスチナに平和と自由を」