【談話】夫婦別姓を認めない最高裁判決に抗議する
2021年6月24日
社会民主党幹事長 服部良一
- 夫婦同姓を定めた民法と戸籍法の規定は違憲であるとして、別姓での婚姻届の受理を求めた家事審判の特別抗告審で、23 日、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は民法と戸籍法の規定を「憲法に違反しない」という決定を出した。裁判官 15 人中 11人の多数意見だった。
訴えていたのは、2018 年に別姓での婚姻届けを役所に提出して、不受理の処分を受けた 3 組の事実婚のカップルで、夫婦同姓の強制は「法の下の平等」を保障する憲法14 条や「婚姻の自由」を定めた 24 条に違反する、国際人権条約にも違反する等を主張してきた。 - 大法廷は 2015 年にも民法、戸籍法の規定を合憲としている。今回の判断について「社会や国民意識の変化を踏まえても、2015 年判決の判断を変更すべきとは認めらない」とし、夫婦の姓のあり方は、「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄」と再び国会の議論に委ねた。
- 家族やライフスタイルの多様化、女性の社会進出などが進むなか、夫婦それぞれの人格権を保障する夫婦別姓制度を求める声は、性別世代を問わず、ますます強くなっている。1996 年に法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を答申してから 25 年も経つ。にもかかわらず、今回の判決は 15 年判決を踏襲したに過ぎない。人権を守る最後の砦となる司法の役割を果たしておらず、極めて怠惰で不当な判決と言わざるを得ない。
- 違憲とした裁判官4人は、実質的に夫婦同姓が強制されていることについて、「合理性を説明できない」「憲法 24 条の趣旨に反する不当な国家介入にあたる」「あまりに個人の尊厳をないがしろにする」など明解な意見を出している。
先の通常国会では、選択的夫婦別姓の実現を求める質問が、与野党を問わず、これまで以上に活発に出された。社民党は、一貫して選択的夫婦別姓の実現を求めている。来るべき衆議院選挙では、この課題を争点化し、平等を求める市民と野党が結集して実現への歩みをより強めていく。
以上