(社会新報2月8日号3面より)
第213回通常国会が1月26日に開会した。今国会は、近年は開会初日に行なわれていた政府4演説の前に政治資金問題に関する集中審議を行なうなど、異例のスタートとなった。
今国会の焦点は、何よりも能登半島地震への対応である。開会初日に、立憲民主党ら野党4党は被災者生活再建支援法改正案を衆議院へ共同提出した。改正案は「被災者生活再建支援金」を現在の最大300万円から600万円へと倍増することが柱である。社民党は賛成であり、速やかな成立を期待する。
政府は震災からの復旧、復興のため、2023年度予備費から計1553億円の使用を閣議決定したが、予備費では使途が限定されない。災害対応以外に使用されないよう補正予算案を迅速に編成すべきだ。
「自民党とカネ」の問題も今国会の焦点である。自民党派閥による政治資金パーティーをめぐる事件は、自民党政治がいかに腐敗しているかを白日の下にさらした。カネまみれの自民党政治に終止符を打つべきだ。社民党は、政治とカネ問題に関するPTを立ち上げた。企業・団体による献金禁止など、実効性のある政治改革を主導していく。
また、今年度予算案については一般会計112兆円717億円と、2年連続で110兆円を超える大型予算案だ。とりわけ防衛予算案は7兆9172億円と、軍拡が一層進む予算案であり、社民党は反対だ。
提出予定の法案では、「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案(仮称)」や共同親権導入に向けた民法改正案など、問題となる法案が多数ある。特に前者は、「経済安保版秘密保護法案」と指摘されている。同法案は経済安保分野の機微情報を秘密指定とし、その情報を取り扱う者が適正かどうかを政府が調査し、情報へのアクセス権を付与するセキュリティ・クリアランス(適正評価)制度を導入する。調査にあたっては本人の同意を必要とするが、調査事項によっては本人だけではなく、家族まで調査される。また、情報漏えいへの罰則規定が設けられる。防衛産業を念頭とする機微情報の秘匿化は、戦争体制をより一層強める。法案の成立を阻止しなければならない。今国会は、自民党政治の腐敗を追及していく一方で、軍拡予算など自民党によるさらなる軍事国家化を止めていかなければならない。自民党政権打倒に向け、社民党は全力を尽くす決意だ。