【談話】ジョージアのLGBTQIA+コミュニティに対する暴力に抗議する -SDPJ is solidarity with Tbilisi Pride-
2021年7月7日
社会民主党幹事長 服部良一
- 東ヨーロッパと西アジアの間、コーカサスに位置するジョージア(旧国名グルシア)の首都トビリシにおいて7月5日に開催が予定されていたLGBTQIA+(所謂性的マイノリティ)の権利獲得に向けたTbilisi Pride (トビリシ・プライド)のパレードが中止となった。LGBTQIA+に差別的な極右団体による主催団体事務所の襲撃やその周辺でのヘイトデモ、街中でレインボーフラッグを燃やすなどの暴力行為によって開催が困難となったためである。取材中のジャーナリストにも暴力が及び、20名以上が負傷しているとの報道もある。人権問題は国境を超える問題であり、LGBTQIA+当事者の生命を危険に晒し、表現や集会、報道の自由を侵害するこれらの行為は看過できない。社会民主党はこのLGBTQIA+当事者、支援者、並びにジャーナリストに対する差別・暴力に抗議すると共に、Tbilisi Prideへの連帯を表明する。
- ジョージアの内務省が主催者に対して安全が確保できないことを理由にパレード中止の呼びかけを事前に行なっていたこと、および、イラクリ・ガリバシヴィリ首相がTbilisi Prideについて「大多数のジョージア人にとっては容認できない」ものと発言したことが報道されている。ジョージア政府にはこれらの言動によりTbilisi Prideへの暴力行為に口実を与えたことに対する猛省と加害者に対する適切な法的措置を強く求める。
- この度の差別・暴力に対して21の国や地域の大使館・使節団が共同声明を発表し、ジョージア当局に対してTbilisi Pride主催者や参加者、そしてジャーナリストの権利保障と差別・暴力に対する社会の名においての糾弾を早急に行うよう呼びかけている。日本政府には立憲主義と民主主義を重んじ、LGBTQIA+当事者が差別なく生きられる社会をめざす仲間として、在ジョージア日本大使館の名においてこの共同声明に賛同し、ジョージア政府に然るべき対応を執るよう呼びかけることを強く求める。
- トビリシでの出来事は日本社会にとって対岸の火事ではない。街頭でのヘイトスピーチやSNS、ネット掲示板への差別的投稿に代表されるように、様々なマイノリティに対する暴力は日本社会にも確かに存在している。先の通常国会での入管法改悪法案やLGBT新法をめぐる議論の内外で外国人やLGBTQIA+当事者への差別・誹謗中傷を含む言説がが吹き荒れたことは記憶に新しい。LGBTQIA+当事者をはじめ総ての人が差別に晒されることなく安全に生きられる社会を実現することをめざし、社会民主党はLGBT差別禁止法および同法と人権3法にとっての基本法に位置づく包括的差別禁止法の成立にむけて全力を尽くす。