社会新報

佐渡金山の世界文化遺産登録に異議あり~強制労働の歴史を示して~韓国の国会議員団が来日し院内で会見

8月15日、参院議員会館で会見する韓国の国会議員ら。

「共に民主党」の李在康(イ・ジェガン)議員

「共に民主党」の林美愛(イム・ミエ)議員。

祖国革新党の金竣享(キム・ジュニョン)議員。

進歩党の鄭惠曔(チョン・ヘギョン)議員。

大椿副党首。韓国議員訪日団の受け入れ窓口を担った。

「共に民主党」など韓国の国会議員5人が佐渡市相川地域にある「第4相愛寮跡地」を視察した。中央が現地を案内する社民党の荒井真理・佐渡市議。(8月16日、佐渡市)

 

 「佐渡金山」を世界文化遺産として登録するとユネスコ(国連教育科学文化機関)が今年7月に決定したことを受け、韓国の国会議員らが来日し、8月15日に参院議員会館で会見を行なった。

 韓国議員団の受け入れ窓口となったのは、社民党の大椿ゆうこ副党首(参院議員)。会見冒頭、大椿副党首は「佐渡金山の世界文化遺産登録についてはまだまだ議論は尽くされていない部分がある。強制労働の歴史をしっかりと示していくことが必要だ」と述べた。

 韓国最大野党「共に民主党」の李在康(イ・ジェガン)議員は、「世界遺産登録の際に佐渡金山の真実は隠されてしまった。強制動員の歴史などを認めて謝罪することが、日韓関係の改善のために必要だ」と強調した。

 進歩党の鄭惠曔(チョン・ヘギョン)議員は、佐渡金山の世界遺産登録に条件付きながら賛成した韓国政府与党に対しても、「韓国の国民は納得していない。日本は強制動員された労働者に謝罪すべきだ」と述べた。

 共に民主党の林美愛(イム・ミエ)議員は、議員団の日本政府への要請について説明した。「佐渡金山に朝鮮人が強制動員された歴史を表記し、訪問者が正しい歴史認識を持てるようにする」「現在、(ユネスコ登録区域外にある)相川郷土博物館に設置されている朝鮮人動員労働者に関する展示を、きらりうむ佐渡に移転して、訪問者がより簡単にアクセスできるようにする」「佐渡金山の朝鮮人強制動員労働者の名簿を公開する」と、大きく分けて三つのことを求めていると明らかにした。この要請は文書としてまとめられており、上川陽子外相に送られるとのことだ。

 会見で祖国革新党の金竣享(キム・ジュニョン)議員が語ったところによれば、議員団は佐渡金山に関する要請について、「日本の外務省と直接、面談して伝えたかったが拒否された」とのことだ。これについて、金議員は、「外務省の非協力的な姿勢は日韓関係の障害になると思う」と述べ、いら立ちを隠さなかった。

 韓国議員団は、8月16日に佐渡島を訪問し、相川郷土博物館などを視察。大椿副党首も同行した。