社会新報

8・15 閣僚ら靖国参拝 ~ 政教分離に抵触

東京・九段北の靖国神社で集団参拝を終えた「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の議員ら。

 

(8月28日号より)

 

   アジア太平洋戦争の敗戦から80年を迎えた8月15日、東京・九段北の靖国神社は朝から猛暑に包まれた。神社には多くの人が訪れ、参拝の列は昼には「2時間待ち」となった。

A級戦犯合祀の神社

   この日、石破茂内閣からは小泉進次郎農水相と加藤勝信財務相が参拝した。小泉氏は参拝後、「不戦の誓いと、国家のために命を捧げた方に対する礼を忘れないことは重要」と語った。
 石破首相は参拝せず、自民党総裁として私費で玉串料を納めた。
 超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に所属する衆参議員52人も集団で参拝した。自民党の他、日本維新の会、国民民主党、参政党、日本保守党など。
 今夏の参院選で躍進した参政党からは、神谷宗幣代表ら国会議員18人全員と地方議員が集団参拝した。
 この他、個別に自民党など数人の国会議員も参拝した。
 靖国神社には、極東国際軍事裁判(東京裁判)でA級戦犯とされた人たちも合祀(ごうし)されている。日本はこの判決をサンフランシスコ平和条約で受け入れている。

「感謝」のゴマカシ

    閣僚や国会議員などの「国民の代表」がどのような思いを語ろうと、靖国神社への参拝や玉串料などの奉納は、「A級戦犯」とされた人たちを神として崇拝し、侵略戦争を正当化することに直結する。さらに憲法が定める政教分離規定に抵触する。
 こうした人たちは、自らの政治的アピールと引き換えに日本の国民の利益を大きく損なっていることを忘れてはならない。
 この日、日本会議や英霊にこたえる会などによる「大東亜戦争終戦80年 追悼と感謝の集い」が参道で開催され、「数多の英霊に対し、心からの追悼と感謝の誠を捧げる」などとする声明文が採択された。
 参拝した議員の多くも同じ思いを述べている。
 だが、彼らはこの「感謝」によって、望まない死を強いられた人々の思いや日本の加害事実を捨象しているのではないか。