社会新報

反差別自治体議員ネット 全国どこからでも参加できる

 

地域で「砦」の役割果たす

 路上のヘイト街宣が関東と関西を中心に現れたのは、2010年代初頭のことだ。これに対しては、市民によるカウンター(抗議)が行なわれてきた。
 16年にはヘイトスピーチ解消法が成立。その後、東京都、大阪府、沖縄県、大阪市、川崎市など全国の10自治体で同趣旨の条例が制定された(8月15日現在。一般社団法人地方自治研究機構による)。
 その後、路上でのヘイト街宣は以前よりも減少したとはいえ、強硬な差別主義者は定期的に街宣を繰り返している。また、神奈川県川崎市に続き、埼玉県川口市などのクルド人集住地域をターゲットとして、差別者らが地域外から来て差別扇動を繰り返している。
 差別者は「自分の主張を述べているだけ」と開き直る。だが差別言説の被害者は、自分のことを言われているとおびえており、不安の中で人間関係や社会生活に支障を来している。

差別がカネになる

 見逃せないのがインターネット上のSNSで、差別扇動の犬笛を吹く多様なコンテンツが増えている。すでに実社会と同等か、それ以上の言論空間を形成しており、その一部は収益化されて、差別者たちの懐を潤している。差別言説がカネになることが大きな問題だ。
 さらに新しいフェーズも始まっている。現在では、選挙が差別者たちの有効な表現の場になっているのだ。彼らは選挙戦で、拡声器を使いながら、何ら規制を受けることなく差別言説を垂れ流すことができる。そのことを理解した差別者たちが、各地で立候補し、当選して議員職に就いている。

法整備が必要

 こうした状況に対して、私たちは2021年にSNS上で呼びかけて超党派の「反差別自治体議員ネットワーク」を結成した。
 このネットワークがやるべきことを共有したまとめが、上記の「私たちがやるべきこと」である。継続的なヘイト現場の視察、地元議会でのヘイト取り締まりの提言などだ。
 国会議員も巻き込んだ各地でのネットワークをつくり、差別をなくすための法改正や制定を実現することも必要だと考えている。

全国で100人が参加

 世界的にも、日本でも、極右や歴史改ざん主義者たちがフェイクニュースや陰謀論なども用いながら力を伸ばしている。今後ますます、差別扇動の犬笛が吹き荒れるだろう。
 私自身は、議員活動と若者支援の現場対応に追われ続け、今年になってようやく自治体議員のネットワーク化に取り組んでいる状況だが、ローカルレベルで差別を許さない砦(とりで)的な存在になっていきたい。
 埼玉県鶴ヶ島市の福島めぐみ市議(無所属)に対して、反差別のカウンター行動への参加をめぐり、同市議会による言論制限の動きがある。これに対しても、仲間の提案で、議員の発言を封殺しないことを求める緊急ステートメントを出した。
 現在、100人以上の自治体議員が参加している。反差別自治体議員ネットワークのX(旧ツイッター)アカウントも作っている。フォローし、参加表明をいただくか、私までご連絡いただければ、うれしいです。
長野県駒ヶ根市議・池田幸代 ☎0265(98)7827)