2021年9月3日
社会民主党幹事長 服部良一
菅義偉首相が本日午前、自民党臨時役員会で党総裁選(9月17日告示、29日投開票)に立候補せず、任期満了をもって退陣する意向を表明した。官邸での記者会見では「新型コロナ対策と総裁選の選挙活動には莫大なエネルギーが必要であり、両立できない。コロナ感染防止に専念したいと判断した」と述べた。首相が検討していた党役員人事は撤回し、二階氏ら党4役は9月末の任期満了まで務めることになった。
昨年9月16日、安倍前首相の退陣を受けて昨年9月16日に発足した菅政権だが、新型コロナ対策の明らかな失敗で支持率は急落し、国民・市民の怒りは頂点に達していた。ワクチン確保をめぐる右往左往、4回繰り返した緊急事態宣言や蔓延防止措置、不十分なうえに遅れる補償金の支給、酒類提供制限をめぐる混乱、中等症患者への入院制限問題のゴタゴタなど迷走が続いた。これらによって人災となってコロナ感染は、デルタ株の急拡大で恐れていた医療崩壊が現実のものになった。今や11万人以上が入院できずに自宅療養となり、体調の急変で亡くなる方が急増、国民・市民のいのちよりもオリンピック利権を優先する菅政権のご都合主義に怒りが爆発した。
また権力の座に執着するこの間の菅首相の迷走ぶり、自民党総裁選前の解散方針に自民党内に不信が広がり、墓穴を掘る結果となった。菅総理では衆院選が闘えないという危機感が広がる中での退陣表明となった。
社民党はじめ野党4党は、自民党が党内の政争に明け暮れるのではなく、堂々と国会を開催し、コロナ対策を論戦、喫緊の緊急対策を求めてきたが、与党は拒否した。2日には、国会を開かないのは憲法違反として抗議声明を提出したばかりである。政治の空白を作ってはならない。今政治に求められているのは、国民・市民のいのちとくらしを全力で守り切ることである。
安倍・菅と続いた自公政治に終わりを告げよう!「生存のための政権交代」に向け立憲野党がしっかりと共通政策を掲げ、選挙区候補者の一本化を進め衆院選に勝利しよう。社民党は党の再生と同時に、日本の政治を大きく転換させるために全力で闘うことを決意し、宣言する。