社会新報

【横浜市で第62回護憲大会】憲法を活かし人権輝かせ ~ 戦争と排外主義STOP!

護憲大会の開会総会には全国から1100人が参加した。(8日、横浜市の関内ホール)

連帯あいさつをする福島党首。

染実行委員長

福田神奈川県実行委員長

左から山花議員、阿久澤教授、海渡弁護士。

 

「戦後80年 未来につなぐ平和憲法」をスローガンに掲げた「憲法理念の実現をめざす第62回護憲大会」が8日から3日間、神奈川県横浜市で開催された。フォーラム平和・人権・環境や地元実行委員会などでつくる大会実行委員会が主催し、初日の開会総会に1100人が参加した。自民党と日本維新の会の高市連立政権が、大軍拡と改憲、差別・排外主義、戦争への道を加速する中、参加者は危機感を共有化した。(分科会報告は12月4日号の4・5面に掲載予定)
開会総会で主催者を代表してあいさつした染裕之実行委員会委員長(平和フォーラム共同代表)は、「高市政権の発足によって日本政治は一気に右旋回した。大軍拡と改憲へ大きく踏み込んだ高市政権と正面から対峙(たいじ)しよう」と訴えた。

一線超えた「存立危機事態」首相答弁

神奈川県実行委員会の福田護委員長(弁護士、社文法律センター神奈川支部)は、高市早苗首相が7日の衆院予算委で、台湾有事になれば集団的自衛権を行使可能な「存立危機事態になり得る」と答弁した問題について「ついに首相答弁として一線を越えた。日中両国は1972年の日中共同声明以来、『一つの中国』として台湾を中国の一部であると何度も確認してきた。国連加盟国でもない台湾の有事に日本が参戦することは中国への内政干渉で、国際法違反だ」と厳しく批判。

差別・排外主義と監視社会の次は戦争

社民党の福島みずほ党首(参院議員)が、連合や立憲民主党の代表と共に、来賓としてあいさつした。
福島党首は「戦争と差別排外主義は手を携えてやってくる。法務省の『不法滞在者ゼロプラン』によって、今年4~9月の間に2000人の外国人が強制送還され、子どもと親がばらばらにされた。外国人の人権を切り捨てれば、いつか自分の人権もないがしろにされる日が来る。人権はみなつながっている」と述べた上で、「市民を監視するスパイ防止法案を国会に提出させてはならない。差別排外主義と監視社会の次は戦争への道だ。そうさせないために、憲法を活(い)かし、人権を輝かせ、平和をつくっていこう」と呼びかけた。
続いて、「戦後日本は、どう人権を育んできたのか」をテーマにシンポジウムが開かれた。
コーディネーターを金子匡良法政大学教授、パネリストを山花郁夫衆院議員(立民)と阿久澤麻理子大阪公立大学教授、海渡双葉弁護士が務めた。
山花議員は「人権問題を立法的に解決していくことは不断の努力による『日本国憲法という未完のプロジェクト』だ」と、故・奥平康弘さんの言葉を引いて発言。阿久澤教授は「社会の少数者の人権を尊重するには、まず多数者が自らの立ち位置に気づくことが重要」と、また海渡弁護士は「スパイ防止法は、新たな戦前の再来で、秘密保護法の人権侵害をさらに悪化させる」と発言し、人権尊重の取り組みを強めていくことを確認した。

閉会総会で坂井市勤労協などに遠藤三郎賞

護憲大会3日目の10日は、横浜市教育会館で閉会総会が開催された。特別提起として、北海道平和運動フォーラムの岡村孝一さんが幌延町の高レベル放射性廃棄物施設での深地層研究計画の早期終了と埋め戻しの要請や大間原発反対運動について報告。埼玉県平和運動センターの金子彰さんは川口市での排外主義団体によるクルド人への差別反対運動、強制送還に対する政府交渉の取り組みについて報告。沖縄県平和運動センターの幸喜愛さんは米軍基地反対運動について報告した。
今年の遠藤三郎賞は、映画会上映を通じて43年間にわたる反原発運動を展開してきた福井県の坂井市勤労者協議会と、長年にわたって毎月8日に戦争反対のチラシ配布活動を行なっている高知県の戦争への道を許さない女たちの会の2団体が受賞。賞状と記念品が授与された。
最後に、「戦後80年未来につなぐ平和憲法」との大会アピールが提起され、会場の拍手で確認された。
なお、来年の護憲大会は福岡県で開催予定である。