社会新報

【主張】衆議院に社民党の議席を~ 大義なき高市首相の解散総選挙

1月19日、高市早苗首相が首相官邸で記者会見を行ない、23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散することを表明した。解散から投開票までわずか16日間という、戦後最短の短期決戦選挙である。
高市首相は解散理由について、連立政権の枠組みが自民党と日本維新の会に変わったことや「経済財政政策の大転換や安全保障政策の抜本強化などに挑戦する」ためだとした。「私、タカイチサナエが総理大臣でよいのかどうかを国民に問う」選挙とも言った。
しかし、どれも到底納得できる説明とはいえない。高市首相自身の国会答弁に端を発した日中関係の緊張や、物価高・生活苦などの課題が山積する中で、解散を急ぐ大義はない。
今回の解散は、高市内閣発足直後の高支持率のタイミングをはかって、自民党の議席を増やし、政権基盤を強化することが狙いの党利党略にほかならないだろう。台湾有事をめぐる首相答弁や裏金問題などの「政治とカネ」、旧統一教会と自民党との密接な関係に対する追及を避ける意図もうかがわれる。
政治家やメディアが「解散は首相の専権事項」などと言うが、法律で定まっているわけではない。衆院解散は憲法7条と69条で規定されているが、69条の解散は衆院で内閣不信任決議案が可決(信任決議案が否決)された場合に、内閣が総辞職せずに解散を選ぶことができるという規定だ。解散権が「首相の専権事項」とされるのは憲法7条で、解散を「内閣の助言と承認」による天皇の国事行為の一つと規定していることが根拠となっている。しかしこれを首相が恣意(しい)的に解散できる「首相の専権事項」と解釈するのは無理があるとの批判も強い。議会の解散制度がある国でも、大統領や首相が自由に解散することは一般的でなく、法律上の制約が課されている場合が多い。
日本でも、昨年の通常国会に立憲民主党が解散権制限法案を提出するなど解散権について問い直す声が強まっていた。今回の解散を受けて結成された「中道改革連合」や社民党の選挙公約にも解散権の制限が盛り込まれている。
国会議員をどのように選ぶかは議会制民主主義の根幹の問題だ。解散制度のあり方についても幅広い合意を前提とすることが当然であり、見直すべきだ。
今回の厳しい選挙戦を勝ち抜いて、衆議院に社民党の議席を確保しよう。