2月18日に特別国会が召集され、20日には衆参両院で高市早苗首相の施政方針演説が行なわれた。
その内容について『朝日新聞』は「まず経済から 安保強化や改憲見据え」を見出しにした(2月21日付朝刊)。確かに演説の大半は経済政策に割かれたが、その柱は国内投資促進や裁量労働制の見直しだった。国民の関心の高い消費税については一部の与野党で構成する「国民会議」に丸投げし、「働き方改革の総点検」として「裁量労働制の見直し、副業・兼業に当たっての健康確保措置の導入、テレワークなどの柔軟な働き方の拡大」を挙げた。
その上に「安保3文書」の改定をはじめ大軍拡を推進すること、「むすび」で憲法改正について「国会における(改憲)発議が早期に実現されることを期待します」と述べ、締めくくった。大企業や米国の意向を忖度(そんたく)した政策のオンパレードだ。
社民党は衆院選で高市政権が進める国民生活の破壊と「戦争する国」づくりを批判し、「いまだから社民党あなたの税金はあなたのために」と訴えた。
「有権者の反応は悪くない」とか「これまでにない運動量の選挙戦だった」という報告も聞く。しかし、大変厳しい結果だった。なぜ私たちの主張が有権者に届かなかったのか。党内各級機関で総括議論が始まっている。いくつかの発言を紹介したい。
「論点がかみ合っていないのではないか。われわれは労働法制の規制緩和に反対するが、実質賃金が上昇していないため、『もっと働かせろ』の気分になっている労働者も多いのではないか」「われわれは戦争の危機を訴えるが、『そんなことはないし、中国などの脅威に対抗するのは当然だ』の声が少なくない。理論的にも説明できる力が必要だ」「有権者と対面で対話できる機会を増やしていかないと支持は広がらない」
高市政権は26年度予算案の成立以降、武器輸出を限定する「5類型」の撤廃や国家情報局創設のための法案、スパイ防止法の制定に向けた有識者会議の設置、そして「安保3文書」の改定などを進めると思われる。その集大成が憲法改「正」であることは間違いない。同時に裁量労働の規制緩和などの労働法制の改悪も狙われるだろう。
こうした動きを阻止し、来年に迫った統一自治体選に勝利するためにも、衆院選の総括、教訓を今後の闘いに生かしていこう。(3月5日号より)