
脱原発をアピールする集会参加者。8500人が集まった。(3月7日、東京・代々木公園)

集会に参加した社民党の福島党首と都連合の党員たち。
2011年3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第1原発(全6基)の大事故から15年を迎えるのを前に、3月7日に東京・代々木公園で「とめよう原発! 3・7全国集会」が行なわれ、約8500人(主催者発表)が集まった。主催は同実行委員会。
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同原発事故後、原発反対の世論は国内外で大きく盛り上がり、日本全国で停止した原発は再稼働できない状況が続いた。だが、徐々に原発推進の動きが強まってきた。
こうした中で、23年に原発推進を柱とするGX(グリーン・トランスフォーメーション)推進法とGX脱炭素電源法が制定され、政府の原発積極推進の姿勢が明確に示された。
原発に有事リスクも
集会では、ルポライターの鎌田慧さんが主催者代表あいさつを行なった。
鎌田さんは、高市早苗首相が米トランプ大統領に付き従い、戦争への道に突き進み、また原発推進の姿勢を明確にしていることに対し、「先の大戦にも、原発事故にも、反省がない」と批判した。
前衆院議員で超党派議員連盟「原発ゼロ・再エネ100の会」前事務局長の阿部知子さんは、昨今の不安定な国際情勢を前にして、原発には軍事攻撃されるリスクがあるだけでなく、核兵器の原料を生み出す点も指摘し、「原発をゼロにしなければならない重大な時代の分かれ目に来ている」と警鐘を鳴らした。
反省なく原発推進
盛岡大学学長で原子力資料情報室理事の長谷川公一さんは、「福島第1原発事故は東京電力と日本政府が引き起こした人災であり、犯罪だ。対策がしっかりしていれば、過酷事故には至らなかったはずだ」と批判した。
その上で、その後の自民党政権が事実認識も反省もないままに原発推進に大きくかじを切ったと指摘し、「日本列島のどこかで再び原発事故が起きるリスクは少なくない」と語った。
また、22年のロシアによるウクライナ全面侵攻から急速に増大したドローン(無人機)攻撃の問題を重視し、「原発にとって新たな脅威だ」と指摘した。
長谷川さんは「福島原発事故を忘れず、平和と命と暮らしを守ることが大切だ」と締めくくった。
原発事故被害者団体連絡会・共同代表の武藤類子さんは「フクシマの現状と課題」について語った。
武藤さんは、福島原発事故直後に日本中の市民が震撼し、憤り、「原発はもうやめよう」と声を上げたにもかかわらず、政府と原子力産業界は事故の責任をとらないまま原発推進にかじを切った、と指摘した。
その上で、こうした姿勢こそが「次の原発事故を起こしかねないことにつながる」と懸念を示した。
原発と核兵器の連続
この後、会場の参加者が皆で「原発NO!」「東電福島原発事故は終わってない」と記されたアピールカードを掲げ、コールを繰り返した。
脱原発を目指す4団体によるリレースピーチも行なわれた。
柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワークは、同原発の再稼働の是非を問う新潟県民投票を求める14万筆以上の署名を提出したにもかかわらず、昨年4月に県議会が否決したことを指摘し、「強い憤りを感じる。この現状を変えたい」と訴えた。
津島原発訴訟原告団、「原発のない福島を! 県民大集会」実行委員会、全港湾労働組合小名浜支部青年部、311甲状腺がん子ども支援ネットワーク・学生ボランティアからのアピールもあった。
終わりのあいさつで、「脱原発をめざす首長会議」世話人で元湖西市長(現同市議)の三上元さんは「ロシアによるウクライナ侵略戦争を見れば分かるように、原発が攻撃されたら『自国民を殺す核兵器』に変わる」と有事リスクを指摘した。
集会終了後、参加者は渋谷コースと原宿コースの2手に分かれ、「原発いらない、再稼働反対」「地震大国に原発いらない」などとシュプレヒコールをしながらパレードを行なった。