社会新報

日米首脳会談 ~ 憲法9条が自衛隊の中東派遣を阻む

「もともと憲法9条があり、その下でさまざまな事態認定がある。そういったことも含めて日本には制約がある」。現地時間で3月19日、米ワシントンで開かれた日米首脳会談で、高市早苗首相はトランプ米大統領にこう伝え、ホルムズ海峡への自衛隊艦船派遣が困難であることを説明した。トランプ氏はこの言葉にうなずいた。皮肉にも改憲論者の高市氏が戦争放棄を定めた9条の尊さを痛感せざるを得ない瞬間だった。
一方で、高市氏は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルド(トランプ氏)だけだ」と持ち上げた。国連憲章に違反する先制攻撃を仕掛けた張本人を平和の推進者として称賛するさまはブラックユーモアとしか言いようがない。
そもそもイランの核開発問題の協議中に、イランへの先制攻撃を仕掛けた米国とイスラエルは厳しく非難されなければならない。2月28日、米軍のトマホークがイランの女子小学校を爆撃し、児童ら175人を殺害。数千人の市民の命が奪われている。イランは報復としてホルムズ海峡を事実上封鎖し、原油価格の暴騰が続き、世界経済に大きな打撃を与えている。
いまやトランプ氏は国際社会から四面楚歌(そか)の状態に陥った。NATO(北大西洋条約機構)諸国からは非難の声が続く。「何百万人もの運命を賭けてロシアンルーレットをすることはできない」(サンチェス・スペイン首相)、「ホルムズ海峡の作戦に参加することは決してない」(マクロン・フランス大統領)、「これはわれわれの戦争ではない」(メルツ・ドイツ首相)、「これまでに想定されたこともない」(スターマー・英国首相)、「国際法の枠外の介入に参加するつもりはない」(メローニ・イタリア首相)など。
孤立を深めるトランプ氏に助け舟を出すかのように、高市氏は国際法違反の蛮行に一切触れず、イランの報復を非難するばかり。その上で戦争を「応援する」と言明した。
トランプ氏は、原油の9割超を中東に依存している日本への、ホルムズ海峡の安全確保に貢献を求めた。高市氏は「法律の範囲で」としつつ「できることはしっかりやっていく」と応じた。高市氏が約束した「できること」とは何なのか、全容を明らかにすべきだ。
社民党は無法な戦争を終わらせ、憲法改悪を阻止するために院内外の闘いに全力を尽くす決意だ。