(社会新報2021年12月22日号2面より)
社民党の福島みずほ党首は8日の記者会見で、80年前に太平洋戦争が始まった「12月8日」の歴史的意味を強調しながら、あらためて党として憲法9条を守り、戦争に反対していく決意を表明した。
福島党首は冒頭、岸田文雄首相が臨時国会での所信表明演説で「敵基地攻撃能力」の保有を検討すると述べことに対し、「敵基地攻撃能力の保有は憲法違反だ」と指摘。「絶対に戦争をしない政治を、党として全力でつくっていく」と強調した。
さらに補正予算で、防衛費が過去最高の7000億円以上の額に膨れ上がったことについて、「装備費や沖縄・辺野古の新基地建設費まで入っている。補正予算に入れる内容ではない」と述べ、国会で厳しく追及する姿勢を示した。
また福島党首は、辺野古の基地建設の改良工事で同県の玉城デニー知事が埋め立て変更申請を不承認としたにもかかわらず、沖縄防衛局が行政不服審査で国土交通相に審査請求したことについて、「行政不服審査は、私人が行政に対して申し立てる制度だ」と批判。「審査するのは身内の国側だから、制度の使い方が間違っている」として、沖縄防衛局に請求取り下げを求めた。
さらに、コロナ対策として18歳以下に対する10万円給付のうち、5万円をクーポン券で配る政府の方針について触れ、「クーポン券配布は事務費が900億円以上かかる。それだけの費用があれば他の困った人たちの支援に使うべきだ」として、10万円の一括現金給付を要求した。
一方、立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長が、野党国対委員長会談を今後、定期的に開催しないと発言し、野党合同ヒアリングも見直す考えを示した点について、福島党首は「野党が力を合わせて共闘を強め、巨大与党と対決すべきだ」との立場を強調。従来通り野党国対委員長会談の定期開催と、野党合同ヒアリングの継続を主張した。
↑会見する福島党首。