2022年3月3日
社会民主党全国連合
『社会新報』2月23日号1面のウクライナ関連記事及び『月刊社会民主』3月号の「Watching国際欄」のコラム記事は誤った情勢認識の上に執筆、公表されたものです。軍事行動を繰り返すロシア政府・軍への批判がなく、平和的生存権の侵害に直面するウクライナの方々を等閑視するかのような内容であり、いかなる理由があろうとも主権国家の現状を他国が武力を以って一方的に変更することは断じて許さないという社会民主党の立場とは全く異なる内容です。このような記事の公開を止めることができなかった校正・管理体制の甘さを心よりお詫び致しますとともに、これらの内容について撤回し、再発防止に尽力いたします。
『社会新報』記事の校了日が2月16日、『月刊社会民主』3月号の校了日が2月18日であり、ロシア軍の軍事侵攻開始(24日)の10日以上前に執筆されたものでした。執筆時には米ロ首脳会談による緊張緩和の可能性が残されていました。両記事の趣旨は、米ロ両国が冷静な対話を尽くし、ウクライナの主権を守るため緊張緩和を図るべきと訴えるものでした。ロシア軍のウクライナ侵攻を正当化する意図ではありません。しかしながら、当該記事において主権国家としてのウクライナ、そしてそこに暮らすウクライナ国民へのまなざしが欠けていたことはまぎれもない事実です。
2月22日にはプーチン大統領が東部2州の独立を承認し、ミンスク合意を破棄する暴挙を行ない、24日に軍事侵攻を開始。国家主権を侵害する軍事侵攻は国連憲章に明確に違反し、いかなる理由を以っても断じて容認できません。特に、核兵器の使用に繰り返し言及していることは唯一の戦争被爆国、また、原子力発電所の事故を経験した国の政党として看過できません。
情勢認識を誤り、党の立場と異なる記事を党ホームページに掲載し続けるのは不適切と判断し、2月21日に『社会新報』2月23日号1面を削除いたしました。この際、一切の説明をしなかったこと、また、操作ミスにより同記事が24日深夜にHPに再掲載されたことを重ねてお詫び致します。社会民主党の立場は2月25日の幹事長談話「ロシアのウクライナ軍事侵攻に抗議する」にて表明しておりますので、ご一読頂ければ幸いです。
2月24日未明のロシアによるウクライナ侵攻以降、世界各国が反戦の意志を明確に示しており、日本においても各地で「ロシアのウクライナ侵攻に抗議します」の声があがっています。3月1日、2日には衆参両議院の本会議にて「ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議」が圧倒的な賛成多数で採択されました。もちろん、社民党所属議員も賛成しています。ロシア国内では侵攻に対する抗議の声をあげる国民に対する弾圧が続いており、3月3日午前0時までに6840人が拘束されたという報道もあります。ウクライナの平和を希求する広範な国際的連帯の一端を担い、あらゆる外交資源を用いてロシアのウクライナ侵攻を一日も早く止めるために社民党も全力を尽くします。