(社会新報2021年4月21日号2面より)
原発処理汚染水の海洋放出を閣議決定する前日の12日、社民党は放出中止を求める梶山弘志経産相宛ての厳重な要請書を提出した。以下は要請書の抜粋。
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東京電力福島第1原発で発生した汚染水を海に流す方針を政府が固めたと報じられている。13日にも関係閣僚会議を開いて決定するとされる。
現在、タンクで保管されている処理汚染水には、トリチウムのみならず、セシウム134、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性物質が残留している。東京電力は「二次処理する」としているが、詳細は不明。
海に流す以外の代替案として、専門家から大型タンクによる長期安定保管やモルタル固化処分などの提案がなされているが、十分検討されたとはいえず、現段階での海洋放出の決定はあまりにも拙速といわなくてはならない。
福島県では、59市町村のうち41 市町村議会が、海洋放出へ反対か慎重とする意見書や決議を可決している。福島県内の団体が集めた反対署名は42 万人を超え、風評被害を懸念する水産業者も強く反対している。さらに、諸外国からも強い懸念の声が上がっている。これらの声を無視し、海洋放出の方針を決定することは許されない。(以下略)。
経産省の企画官(右)に党首が要請書を手渡した。左が服部幹事長。