(社会新報2022年6月15日号3面【主張】より)
社会民主党は6月7日、参院選(22日公示・7月10日投開票予定)に臨む公約である「重点政策2022」を発表した。スローガンとして「がんこに平和!くらしが一番」を掲げる。
重点政策の柱は、①戦争反対! 憲法を活(い)かす政治を②新型コロナ感染症災害からの生活再建③格差・貧困の解消④地球環境と人間の共生⑤ジェンダー平等・多様性社会の実現――の5つ。
福島みずほ党首は同日の会見で「防衛予算倍増ではなく、生活を支えていくべきだ。9条を改悪させないため、複数議席を獲得したい」と決意を表明した。
第1番目に掲げた「戦争反対! 憲法を活かす政治を」は護憲の社民党にとって一丁目一番地の政策だ。
その具体的政策を見てみると――。憲法改正に断固反対する。ロシアのウクライナ侵攻を許さず、ロシア軍の無条件・即時撤退を求め、平和外交こそが唯一の解決策と捉える。安倍元首相らが唱える「核共有」論に断固反対し、非核三原則を堅持する。核兵器禁止条約に署名・批准し、唯一の戦争被爆国として核なき世界を目指す。ウクライナ危機を奇貨とした防衛予算の大幅増強の動きに反対する。違憲の安保法制(戦争法)、秘密保護法、共謀罪法、重要土地調査規制法を廃止する。沖縄の普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念を強く求め、辺野古新基地建設に反対する。不平等な日米地位協定を全面改定する。「台湾有事」を想定した沖縄、南西諸島、馬毛島の軍事基地化に反対――など、どれも重要な政策だ。
また、格差・貧困を解消し、生活を再建するため、家賃補助などの公的支援や最低賃金を全国一律時給1500円に引き上げること、教育無償化を掲げた。
さらに「原発ゼロ基本法案」を成立させて脱原発を推進。原発の再稼働や東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出は認めない。選択的夫婦別姓の実現やLGBTQ差別解消も明記。
社民党にとって今度の参院選で比例得票2%以上(または所属国会議員5人以上)を獲得しなければ、公選法上の政党要件を失う。国政政党としての存続をかけた重大な戦いだ。比例代表で2%の達成にとどまらず、240万票・得票率4%、2議席以上を目指す。
いま、憲法は明文改憲の最大の危機を迎えている。護憲政党の社民党は何としても参院選で踏みとどまり、改憲阻止の要として力を発揮しなければならない。
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