社会新報

9条変えぬ 消費税3年間ゼロ~日本記者クラブの党首討論で福島党首訴え~

(社会新報2022年7月6日号1面より)

 

 社会民主党の福島みずほ党首は6月21日、日本記者クラブ主催の与野党9党の党首討論会に出席し、物価高騰や非正規雇用、防衛費増強、改憲などの問題について論戦を交わした。

 

 

 冒頭、「参院選で一番訴えたいことは何か」との問いに対して、福島党首は「がんこに平和! くらしが一番!」と手書きをしたフリップを掲げながら、「物価高、賃金や年金が下がる現状を変えていく。大企業が潤えば全てうまくいくという新自由主義からの転換を実現する。消費税は3年間ゼロにする。企業の内部留保に課税する。4割の非正規雇用の人たちを正社員化し、最低賃金1500円を実現する。下がる年金の手当てもする。武力で平和はつくれない。戦争はさせないと決めた憲法9条を変えさせない。『がんこに平和 くらしが一番 戦争はさせない』で、ブレない社民党である」と訴えた。

首相は消費税減税を否定

 福島党首は岸田文雄首相に対して、暮らしと経済に関して「格差拡大と非正規雇用の増大は新自由主義が原因だ。新自由主義を転換するつもりはあるのか。消費税を一時的に停止する気はあるのか。大企業への内部留保課税は考えないのか」と質問した。

 これに対して岸田首相は抽象的な新自由主義の弊害を述べるにとどまり、消費税減税や派遣労働法制への規制などの対策を否定した。

 また、福島党首は岸田首相に対して「憲法9条の意義とは何か」とただし、「自民党は改憲4項目を掲げ、9条を改悪して、平和国家を壊そうとしている。防衛予算が11兆円になれば日本が世界で第3位の軍事大国になる」と批判した。これに対して岸田首相は、「自衛隊を9条に明記して、自衛隊違憲論争に終止符を打ちたい。堂々と自衛隊に頑張ってもらいたい」と開き直りの答弁に終始した。

 記者からの「女性議員がなぜ増えないのか」との質問に対して福島党首は、各政党がクオータ制を設けること、供託金を引き下げて、若者や女性が立候補しやすくすること、「票ハラ」にあわないような仕組みを整備することが必要だと指摘。その上で「女性議員が増えれば政策の優先順位が明確に変わる。女性議員を増やしたい」と強調した。

社民の存在意義は高い

 また、記者から「社民党の存在意義はあるのか」との質問に対して、福島党首は「存在意義は今こそ高まっている。参院選後おそらく3年間、国政選挙がないと言われている。改憲勢力が3分の2を占めれば憲法改悪の発議に突き進む可能性が十分ある。憲法9条が変えられるかもしれない国会に社民党は存在しなくてはならない。今度の参院選は日本国憲法にとっても社民党にとってもまさに正念場だ」と力強く語った。

 

↑日本記者クラブの党首討論会に臨む(左から1番目)社民党の福島みずほ党首(21日、東京都千代田区)。

 

↑党首討論でスローガンを書いたフリップを掲げながら発言する福島党首。

 

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