14年前の東京電力福島原発過酷事故の教訓をまるで忘却したかのように、「原発回帰」の濁流が止まらない。岸田政権は2023年、GX推進法などを制定し原発の最大限活用に方針転換した。石破政権も今年2月に第7次エネルギー基本計画を閣議決定し、「可能な限り原発依存度を低減する」との言葉を削除し、「次世代革新炉の開発・設置」を推進する。そのため関西電力が7月、福井・美浜原発での新規建設のため地質調査を始めることを公表した。福島では今なお、「緊急事態宣言」が解除されておらず、約2万4000人以上が故郷に戻れずにいる。この現実を直視すれば、原発の新規・増設建設、外国への輸出などありえない。
東電は、今年4-6月期の決算に、福島第1原発1~3号機の燃料デブリの取り出し準備費用として9030億円の特別損失を計上した。廃炉費用は膨張するばかりだ。1~3号機には推計880㌧の燃料デブリが残るが、耳かき1杯分の燃料デブリも除去できずいる。2051年までの廃炉完了を目標に掲げるが、全く見通しが立たない。福島の現状からあまりにも乖離(かいり)した「原発回帰」を厳しく批判する論考を特集した。