未來へつなぐ平和の願い 岩手で被爆・戦後80周年企画展
追悼式であいさつする達増県知事
原爆死没者追悼式、トーク、上映会など
核兵器廃絶と世界平和の実現を願う「被爆・戦後80周年企画展」が8月6日~9日の4日間、盛岡市中央公民館で開催され、青少年をはじめとする多くの県民が参加。被爆の実相を学び、世界平和を祈った。
主催は県・盛岡市・県被団協の3者。原爆死没者追悼式、被爆体験を語る会、平和トークセッション、被爆について語る集い、原爆写真パネル展、戦跡バスツアー、平和アニメ映画上映会、ミニコンサートなどが行なわれた。
原爆死没者追悼式には100人が参加。達増拓也県知事と内館茂盛岡市長が、主催者として追悼の式辞を述べた。参加者の献花後には、第27代県高校生平和大使が「原爆の悲惨な光景と核兵器の非人道性を忘れてはならない。被爆者の平和への祈願を継承し、声を上げ続ける」と誓いを述べ、高校生合唱部が「長崎の鐘」などを熱唱した。
広島と長崎で被爆した県出身者は200人を超える。現在14人が県内に在住している。
被爆体験を語る会には70人が参加。遠野市在住で県被団協の菊池文子さん(81歳、長崎市出身)が、就職や結婚後に差別に苦しんだことを語った。
菊池さんは、1歳の時に爆心地から4・7㌔離れた実家で被爆したが、記憶はないという。
成人してから関東の職場で「あんた原爆症でしょ。うつるんでしょ」と言われ、衝撃を受けた。結婚した夫の親族からは「長崎出身だから障がいを持った子どもが生まれるかも」などと言われた。
その後、再婚を機に本県に移住。2年前に初めて、息子に自分が被爆者であることを打ち明けたという。
菊池さんは、時折り涙をこらえながら壮絶な体験を語り、未来の子どもたちの平和を願い、核兵器廃絶を訴えた。
6日に開催された広島市平和記念式典には、岩手県内の自治体から「盛岡市中学生広島平和友好派遣団」の中学生6人と「花巻市非核平和学習事業」の小学生9人が派遣され、式典に参列した。「広島は岩手から遠いからこそ、県内の知らない人たちに核兵器の恐ろしさを伝えたい」と、岩手へつなぐ平和の願いを込めた。