高市早苗政権が誕生して1ヵ月半が経過しようとしている。そのタカ派的体質はいよいよ鮮明だ。先月7日の衆院予算委で「台湾有事」になれば、集団的自衛権行使の条件である日本の「存立危機事態」と認定できると答弁したのはその典型だ。
この発言は各方面に大きな衝撃を与えたが、とりわけ中国から強い反発を生んだ。当然のことである。日中両国は1972年の共同声明などで「一つの中国」として台湾を中国の一部として確認してきたからだ。 先月8日に横浜市で開かれた護憲大会で現地実行委員会を代表してあいさつした福田護弁護士は、「国連加盟国でもない台湾の有事に日本が参戦することは中国への内政干渉で、国際法違反だ」と厳しく批判した。
その後、木原稔官房長官は21日の記者会見で「誤解を招くようなことがあれば、今後は極めて慎重に対応しなければいけない」と述べ、軌道修正するかのような姿勢を示した。
しかし、25日に閣議決定した政府答弁書は高市発言について「見直しや再検討が必要とは考えていない」と撤回する意思のないことを明らかにした。
それだけでなく、防衛省は辺野古新基地建設に関連して11月中にも米軍キャンプ・シュワブ東側の大浦湾で埋め立て工事を始めるとしている。この区域は海底に軟弱地盤が広がり、多くの専門家から技術的な困難さが指摘され、工事が計画どおり進むか疑問の声が上がっている。
にもかかわらず強行するのは工事が進捗しているように見せかけ、反対派を萎縮させる狙いがあることは明らかだ。残念ながらこうした高市政権の危険な動きに反対の世論が高まり、歯止めがかかっているとは言い難い状況にある。
毎日新聞の世論調査によれば高市首相の「台湾有事」発言について「問題があったと思う」と答えたのは25%で、「問題があったとは思わない」が50%に上った(11月24日付朝刊)。私たちの力不足を反省せざるを得ない。
前出の福田弁護士は、『月刊社会民主』12月号での福島みずほ党首との対談で「安保3文書の前倒しとか、殺傷能力のある武器輸出の強化などに…いま反対の声を上げていかなければならない」「安保関連法制は憲法違反だと言い続けないといけない」と指摘している。「戦争する国」づくりを阻止するために全力を挙げたい。