(社会新報2022年3月30日号3面【主張】より)
「社民党は『平和、自由、平等、共生』を党のスローガンとして掲げている。全方向の福島党首を先頭に、“平等”の信を問う大椿ゆうこ予定候補、“共生”の信を問うキム・テヨン予定候補、そして私は“平和”の信を問うてまいります。また今回、『平和、人権、正義、環境』を掲げる新社会党のおかざき彩子予定候補も、社民党の比例名簿で共に戦います」
これは、20日に星陵会館で行なわれた参院選勝利決起集会で、沖縄県連の宮城一郎予定候補が決意を語った一節だ。ここに、来る参院選をチーム社民党として、それぞれの予定候補者の専門分野を明確に打ち出しながら総がかりで戦う決意がよく表れている。
決起集会の前段で行なわれた第19回定期全国大会では、参院選闘争方針として、「最低ラインは2%・約120万票であるのは当然であるが、そこにとどまらず、6年前の福島党首を当選させた2・74%・153万票の実績に上乗せを図り、過去2人当選させたレベルにいかに戻していくかの戦い」と位置付けた。2人以上の当選を目指す場合、約240万票の得票が必要になる。昨年の衆院選では、比例票を100万の大台に乗せたものの、得票率は1・77%で政党要件となる2%をクリアすることはできなかった。大会では、参院選闘争方針に対し、「現実的ではない」「夢物語を語っても」との意見も出された。「何が何でも2%を死守する」、ここに焦点を当てるべきだという意見もよく分かる。しかしそれでは、当選者は1人のみだ。
今回、定期大会のスローガンは、「参院選に勝利し、社会民主主義を若い世代につなごう!」だった。社民党の政党要件が維持されたとしても、次の世代がいなければ、社会民主主義をつなぐこともできない。早晩、社民党はなくなってしまうだろう。社民党を存続させ、社会民主主義を受け継ぐことを目指すのであれば、それが今の社民党にとって高い目標であったとしても、新たな議員を誕生させるという目標を取り下げるわけにはいかないだろう。
威勢のいい政治家が、ロシアのウクライナ侵攻に便乗し、改憲だ、非核三原則見直しだ、核共有だ、原発再稼働だ、と軽薄な言葉を吐く。脱原発、戦争は絶対にさせない、憲法9条を活(い)かす、核兵器禁止条約の早期批准をと長年訴えてきた社民党の出番だ。有権者に社民党という選択肢を残すのは、私たちの責任だ。
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