社会新報

【主張】社民党定期全国大会~岸田政権に正面から挑む政策づくりを~

(社会新報2022年4月6日号3面【主張】より)

 

 社民党は3月19日と20日の2日間、定期全国大会を開催した(本紙前号に詳報)。立憲民主党との「合流」問題に一定の結論を出した20年11月の臨時全国大会から1年4ヵ月を経ての全国大会だった。コロナ禍とロシア軍によるウクライナ侵攻で、それまでとはさま変わりといえる社会が私たちの目の前に現れている。

 こうした情勢に、そして目前に迫った参院選に社民党はどう立ち向かうかが問われる大会となった。

 福島党首は冒頭のあいさつで岸田首相の自民党大会での発言にふれ、「『ウクライナ、コロナ、新しい資本主義、そして憲法改正。大きな歴史的な変化に立ち向かっていく。そのための力を得る戦いが来る参院選であります』と述べました。まさに憲法改正するために参院選を勝利しようと呼びかけたわけです」と指摘した。岸田発言は政府・与党の参院選の位置付けを表明したものといえる。

 大会では、いま日本社会で何が起きているか、代議員からの発言が続いた。

 大別すれば運動面では、▽甲状腺がんの拡大や汚染水の海洋放出、ロシア軍によるウクライナへの核によるどう喝など、核や原発をめぐる動き▽「台湾有事」に加え、ウクライナ情勢も反映した国内での基地機能の強化と騒音や訓練の激化といった顕著な軍備増強▽働いても生きられず、正規でも現職死亡が多発する深刻な労働者の現状  に集約できる発言だった。

 これらの課題に、社民党は全国各地で地域の皆さんと取り組んできた。来る参院選を岸田首相の思いどおりにさせてはならない。

 夏の参院選で改憲の是非が大きな争点となることは間違いない。社民党は2月から毎月、憲法講座を開いてきた。先月24日は纐纈(こうけつ)厚明治大学客員研究員を講師に迎えた。纐纈さんは講演のサブタイトルを「ウクライナ危機と社民党・平和憲法の位置」とした。

 このなかで纐纈さんは、自衛隊が進める南西諸島へのミサイル配備について、「政府・防衛省は離島防衛と説明するが、攻撃のための戦列の構築にある」と指摘。その上で、「『台湾有事』となれば(中国から)まず狙われるのは南西諸島だ」と述べた。そして「憲法の平和主義に基づく現状変革と非武装の徹底追求」を提起した。

 安全保障政策だけでなく、岸田政権に正面から挑む政策づくりを社民党は進めていく。

 

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