社会新報

【安保法制10年】国会正門前「19日行動」で福島党首が廃止へ全力を訴え

福島党首が訴え。(9月19日、国会正門前)

 

国会正門前には2300人が集まった。

 安保法制の強行成立から10年を迎えた9月19日、国会正門前で「武力で平和はつくれない! 強行採決から10年戦争法廃止! 9・19国会正門前行動」が行なわれ、2300人が参加した。「19日行動」は総がかり行動実行委員会と「9条改憲NO! 全国市民アクション」が、安保法制強行成立以来、毎月19日に共催で実施しているもので、118回目を迎えた。
 最初に、総がかり行動実行委員会の菱山南帆子共同代表があいさつし、「10年前の9月19日は、雨が降っていて皆さん寒い思いをした記憶があるのではないか。その前の8月30日には、この国会正門前を埋め尽くす12万人が集まった。あれから10年間、本当にいろいろなことがあった。2020年のコロナ感染症のまん延、その2年後には安倍元首相が銃撃される事件があった」と振り返った。そして菱山さんは「市民運動は潮の満ち引きのようなもので、満ち潮の時はいろいろ人が集まるが、本当は引き潮の時こそ力が試される。10年前に比べて軍拡は深刻だし、今夏の参院選中には、日本人ファーストを唱える政党が多く進出してしまった」と極右化する状況に警鐘を鳴らした。
 さらに菱山さんは「変えたいという市民の思いを形にできるのは、ここに集まった全ての人たちの力だ。人間臭く、泥臭く、前に進むのが民主主義であり、そう簡単につぶれないのが市民運動の強さだ」と強調。

反ファッショ統一戦線を
 続いて、社民党党首の福島みずほ参院議員があいさつに立ち、「ちょうど10年前の9月19日を忘れることはできない。まさに安保法制=戦争法が国会で強行成立させられた日であり、その悔しさを本当に思い出す」と振り返り、「その後、毎月19日に、この国会前や全国至る所で19日行動が取り組まれてきた。これを主催し、参加されてこられた全ての皆さんに、心から感謝を申し上げたい」と述べた。さらに党首は、「安保法制=戦争法は憲法違反の法律であり、集団的自衛権の行使は誰が考えても違憲だ。大多数の憲法学者が違憲と断じており、廃止しなければならない。戦争のできる国から戦争をする国へという流れを、皆さんと一緒に変えていきたい。声を上げ続けることが未来への責任だ。社民党と立憲野党の反ファシズム統一戦線で戦争と差別排外主義を止める動きを、さらに広めていこう」と運動の強化を呼びかけた。この他、立憲民主党の近藤昭一衆院議員、日本共産党の田村智子委員長があいさつした。
 最後に市民連合の中野晃一上智大学教授が「1年くらい前までは、日米両政府は、『今日のウクライナが明日の東アジアかもしれない』と言って、安保3文書や敵基地攻撃能力、南西諸島の軍事要塞化をどんどん進めていた。中国が台湾に侵攻するとも主張していたが、自由主義秩序を守るために日本も応分の責任を果たすのだという建前があった」と指摘した。そして中野教授は、「80年代以降、対米追随の新自由主義的な流れと復古的ナショナリズムの歴史修正主義・排外主義的な流れの2つが連携する新右派連合が台頭。現在、言葉は悪いが、タカ派の右に『バカ派』が出てきて先鋭化し、自民党の外で増殖している」と厳しく批判した。
憲法を軸に闘い直す
 中野教授はさらに、「憲法に定められているように、日本の政治は日本に住む全ての人々の生命と自由、幸福追求の権利を守るためにある。他国の戦争についていく準備をすることが日本の国益になるわけがない。われわれはそれに堂々と反対し、言い返していこう。憲法は変えられていない。それを軸にして闘い直していかないといけない。日本から平和への思いを広げていこう」と強調した。
 その後、日弁連憲法問題対策本部副本部長の山岸良太さん、移住者と連帯する全国ネットワーク事務局長の山岸素子さんがスピーチした。集会の最後に、谷雅志平和フォーラム事務局長が今後の行動提起を行ない、10月も19日行動を実施すると語った。