社会新報

新垣副党首が衆院安保委で指摘~自衛隊の米軍指揮下を懸念~軍事オンブズマン制度の導入を

防衛相に対して鋭く指摘する新垣議員.。(11日、衆院安保委)

 

(社会新報4月25日号2面より)

 

 社民党副党首の新垣邦男衆院議員(会派=立憲民主党・無所属)は4月11日の衆院安全保障委員会で、木原稔防衛相に対し、新設される統合作戦司令部の指揮命令系統についてただした。新垣議員が共同作戦で自衛隊が事実上米軍の指揮下に組み込まれる危険性を指摘したのに対して、防衛相は「自衛隊と米軍はおのおの独立した指揮系統に従って行動する」と建前論に終始した。新垣議員は「それでは自衛隊が米軍の指揮系統に入ることを禁じる規定はあるのか」と迫ると、防衛相は9年前の2015年に策定された日米ガイドラインに「おのおの独立した指揮系統で行動する」旨が明記されていると答えた。
 「総合作戦司令官の階級は何か」との質問に、防衛相は「最上位の統合幕僚長より下位の級となる。陸海空3幕僚長と同格の将」と答弁。新垣議員は「つまり(旧日本軍階級の)大将になる。同時期に在日米軍司令官も大将に格上げする。将来、米軍が総合的な指揮を執るのではないか」と問いかけ、さらに「湾岸戦争、イラク戦争では多国籍軍が編成され、指揮は全て米軍司令官が執った」と指摘した。
 また、新垣議員は社民党が以前から自衛官へのハラスメント問題を解決するために軍事オンブズマン制度の導入を提唱してきたことを紹介。同制度を導入したドイツでは、連邦議会が防衛監察委員を任命し、全兵士は上官を通さずにオンブズマンへの通報権が保障され、オンブズマンは事前通告なしで全軍施設に立ち入り調査できる権限を持つ。「木原大臣のリーダーシップで軍事オンブズマン制度を本気で検討すべきではないか」と求めた。防衛相は実効性あるハラスメント防止対策を考えていきたいと答弁するにとどまった。